『アサシン クリード ミラージュ』をプレイしてバグダッドの魅力的な歴史を明らかにしよう

2023.10.4
執筆:寄稿者:メーガン・サリバン

Ubisoftの新作『アサシン クリード ミラージュ』でプレイヤーは、小賊からアサシンに転身したバシム・イブン・イスハークとなって、9世紀のバグダッドの街で、登り、跳び、隠れ、忍び、駆け抜けながら、隠れし者となって、マスターアサシンになることを目指します。 

中世の「黄金時代」、円形都市のバグダッド(760年代に建設)は強国アッバース朝の首都であり、世界最大の大都市でした。 バルマク家といった有力な一族の後援のおかげで、この平和の都は学問、商業、文化の中心地にもなりました。 約90万人の市民は、当時の世界最大の図書館(知恵の館として知られている)を利用でき、その著名な市民は街の4つの地区にある美しい運河や公園を自由に楽しむことができました。 

バグダッドのこの豊かな歴史は『アサシン クリード ミラージュ』で丁寧に再現されており、プレイヤーは冒険を通じて66の史跡を訪れることができます。 スタジオは、中世バグダッドの専門家であるヴァネッサ・ヴァン・レンタゲム博士、イスラム史の学者であるアリ・オロミ博士、Ubisoft社内の歴史家であるラファエル・ウェイランド博士など、多くの歴史家に意見を求めながら本作を制作しました。

「最初から私たちには野心的な前提がありました。それは、プレイヤーが9世紀バグダッドという、大衆文化ではあまり表現されない世界をよく理解できるようにするということです」と、ウェイランド氏はUbisoftとのインタビューで語っています。 「この高い目標を達成するにあたって、私たちは取り組みたいトピックを自由に選ぶことができました。 私たちが表現したいものが、『アサシン クリード ミラージュ』の世界に存在することを確認するだけでした」

『アサシン クリード ミラージュ』をプレイしてバグダッドの魅力的な歴史を明らかにしよう - 円形
大都市バグダッドに潜む大問題

しかし、この都市の美しさと「世界の中心」という評価は、カリフの内外に潜む問題とは裏腹でした。 これらの問題は9世紀初頭に始まり、861年にはカリフ・アル・ムタワッキルが暗殺され、サマッラの無政府状態と呼ばれる内政が極度に不安定な時代を迎えることになり、1人ではなく4人のカリフが暴力的に継承されました。 カリフはまた、イラク南部の湿地帯のプランテーションで強制労働させられていた奴隷たちの残酷な扱いから生じた15年にわたる奴隷反乱、ザンジュの乱にも揺さぶられました。 

このきらびやかなパラドックスの都市に、本作の主人公バシムは足を踏み入れることになります。 バグダッドはこの若きアサシンにとって成功の鍵であり、プレイヤーはさまざまな目的を達成するために、この街の物語と秘密を学ばなくてはなりません。 簡単に聞こえますが、実際にはどうすればいいのでしょうか? 結局のところ、『アサシン クリード ミラージュ』(Discovery Tour)にはディスカバリーツアーモードがありません。 レオニダスやアスパシアといった歴史上の人物が、この街の豊かで魅力的な遺物や遺跡を説明するために登場することはないのです。 しかし、プレイヤーが、太陽に照らされた建物の影でバシムの犠牲者を追跡しながら、9世紀のバグダッドについて学べる楽しい方法がいくつか用意されています。

『アサシン クリード ミラージュ』をプレイしてバグダッドの魅力的な歴史を明らかにしよう - 都市
円形都市を一周

中心となる教育ツールは「バグダッドの歴史」(History of Baghdad)機能で、9世紀のバグダッドとアッバース朝カリフの芸術、歴史、文化のキュレートされた情報に焦点が当てられています。 過去の作品の写本と同様、こちらの機能は街中の66の史跡で構成されており、バシムは、バグダッドの経済、バグダッド市民の信仰と日常生活、都市の政治、バグダッドが後援していたことで有名な芸術と科学、アッバース朝の宮廷での生活という5つの主要なトピックに関する情報をアンロックするために訪れることができます。 「バグダッドの歴史」を完了すると、バシムのゲーム内報酬が手に入ります。 

プレイヤーはまた、「バグダッドの物語」(Tales of Baghdad)機能にも参加することができます。これは『アサシン クリード』の過去の作品でいうところのワールドイベントに似ており、当時の文化の象徴的なトピックに触れる一連のショートクエストで構成されていて、歴史的な体験をさらに豊かにしてくれるものになっています。 しかし、古代の遺物について調べたり、NPCの問題を解決したりするのにあまり時間をかけたくない方は、街の雰囲気をつかむのにそれほど手間のかからない方法として、バグダッドの驚くほど多様な市民の生活を垣間見ることができるカルフの歴史的な市場地区を訪れるのがいいでしょう。

『アサシン クリード ミラージュ』をプレイしてバグダッドの魅力的な歴史を明らかにしよう - 写本
有名なシルクロードの近くに戦略的に位置するバグダッドのにぎやかなバザール(円形の城壁のすぐ外側にあるのは、街の中に身分の低い者が入らないようにするため)には、はるか遠くのコンスタンティノープル、スペイン、さらには中国からも商人が集まりました。このシルクロードの青空市場を訪れるのが、歴史的な人間観察を楽しむのにうってつけの方法です。

市場(と街の残りの部分)にそびえ立つ「ロバのドーム」(ロバが螺旋階段を登れるように建てられた巨大な建物)は、本作で最も高さのあるランドマークで、プレイヤーがバグダッドの景色を独り占めするのにぴったりな場所になっています。 下の混雑した通りでちょっとした閉所恐怖症を引き起こしてしまいそうな方にとっては、おそらくここが街を眺めるのに最適な場所となります。 そして地上に戻れば、この街で最も重要な市民であるネコと交流することで、歴史的な世界にさらに入り込むことができます。 はいはい。そうです。 もふもふしたこの子たちは街の歴史とは直接関係はありません。でも、バグダッドのどこにでもいて、かわいいんです! そして、なでることもできます! これは歴史的に重要なことなんです。 そうでしょう?


『アサシン クリード ミラージュ』は2023年10月5日(米国時間)にEpic Games Storeに登場