『スナイパーエリート:レジスタンス』インタビュー:敵陣の中枢へと踏み込む新たな挑戦

2025.1.6
執筆:寄稿者:フランシスコ・ドミンゲス
これまで、ハリー・ホーカーは『スナイパー エリート』シリーズにおいて、長年主人公を務めてきたカール・フェアバーンの信頼できるイギリス人の協力プレイパートナーとして、サポート役に徹してきました。Rebellionが手掛けた前作『スナイパー エリート5』では、シリーズで初めてフランスが舞台となり、カールはノルマンディーの北海岸で危険な戦闘に挑みました。これは、フランス北部とパリを最終的に解放するという連合軍の目標において重要な戦場です。次回作『レジスタンス』『スナイパー エリート5』の出来事と並行して進行し、ハリーが特殊作戦執行部の選ばれしエージェントとして登場します。ハリーはようやくその実力を発揮し、ただのイギリス軍兵士ではないことを証明するチャンスを得たのです。

『レジスタンス』では、フランスのレジスタンスによって組織された反乱の拠点で、さらに敵陣の中枢部へと踏み込んでいきます。リードレベルデザイナーのベック・ショウ氏はEpic Gamesとのインタビューで、ハリーがリヨン地区の丘陵地帯フルヴィエールに潜入し、アルプスのダム破壊作戦を遂行し、城やシャトー、ブドウ園を隠密に突き進み、ドイツの高い殺傷能力を誇る装甲列車を隠匿する鉄道施設を破壊しながら、ナチスの超兵器ヴンダーヴァッフェを追跡することになると説明しています。

狙撃と観光には多くの共通点があります。『スナイパー エリート』のマップが拡大されることで、見晴らしの良い高地に到達すると、パトロール中のドイツ軍歩兵を標的にして排除するための視界が広がるだけでなく、これまで以上に壮大な景色も楽しめるようになります。ショウ氏は、『スナイパー エリート5』でファンに人気のある、孤立した島に建つ1,000年の歴史を誇る修道院、モン・サン=ミシェルを舞台にしたステージのような、息を呑む瞬間を再現したいと考えています(モン・サン=ミシェルはピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』のミナス・ティリスのインスピレーション源でもあります)。「多くのプレイヤーがその瞬間を覚えています。『スナイパーエリート:レジスタンス』の多くのステージにも、そうした『すごい!』と思わず声を上げてしまう瞬間がたくさんあるはずです」とショウ氏は語ります。
 

第二次世界大戦のサンドボックスを完成させる


広大なマップのおかげで、『スナイパー エリート』のデザインはますます自由度が増し、プレイヤーにはステルス、計画的な狙撃、あるいはロケットランチャーや手りゅう弾を使った破壊的な方法など、さまざまなプレイスタイルや目標へのアプローチ方法を探る最大限の自由が与えられています。「ステージ内に目標となるポイントが複数設定されており、プレイヤーは好きな角度からアプローチできるようになっています」とショウ氏。「あるプレイでは、銃を乱射しながら攻め込み、次のプレイでは、静かに裏から忍び寄って別の角度から目的地に侵入し、また別のプレイでは狙撃に集中し、できるだけ多くの敵を排除してから目的地に近づくこともできます」

その規模にもかかわらず、スナイパーに対するステージの隠れ場所は意図的に限定されており、環境音や発電機のエンジン音で射撃音を隠そうと最善を尽くしても、決してスナイパーが快適に狙撃できる状況にはならないとショウ氏は言います。「完全に身を隠すことができる狙撃ポイントは存在しません。一般的に、狙撃ポイントにいると、ほかの2、3か所の狙撃ポイントの視界に入る可能性があります。だからこそ、注意を怠らず、撃ったらすぐに移動しなければなりません。弾丸の跡や弾道によって、撃った瞬間に自分の居場所が把握されてしまいますから」
『スナイパーエリート:レジスタンス』インタビュー:敵陣の中枢へと踏み込む新たな挑戦 - 狙撃
ゲームにおける狙撃はリアルでありながら、実際の精度とアーケードシューティングを考慮した、誇張された絶妙な描写になっています。密集したサンドボックスステージは、『コール オブ デューティ』『PUBG』のような広大なマップと比較して意図的に小規模に設計されています。マップが広すぎると、弾丸が非常に遠くまで飛ぶため、重力の影響で弾丸が落下してしまうためです。
 
「(特定の難易度では)風の影響を考慮する必要がありますが、突風が吹いたり、絶えず風向きが変わったりすることはなく、プレイ中はかなり安定しています。そのため慣れてしまえば、ステージ内での風の一般的な動きに基づいて、すぐに狙撃を調整できるようになります」とショウ氏は説明します。
 
本シリーズのステルスゲームプレイは年々進化しており、『メタルギアソリッド』のような伝統的なステルスアクションゲームに近いプレイも十分に可能です。角にへばりついたり、近接戦で敵を排除したり、遺体を人目のつかない路地に運んだり、中距離の銃撃戦で大混乱を引き起こしたりできます。さらに、『スナイパー エリート5』では新たに拡張された移動オプションが加わり、マントリングやクライミング、ジップラインを豊富に活用できます。
 
しかし、表面上はもっとエキサイティングに見える選択肢が数多く用意されているにもかかわらず、ショウ氏は『スナイパー エリート』シリーズには順序だてた狙撃プレイスタイルを促す秘密兵器があると考えています。そう、キルカメラです。この恐ろしい機能は、グロテスクでありながらも愛されているシリーズの定番要素です。スナイパーの致命的な一撃に対して、その弾丸が与える破壊的な物理的ダメージをシミュレートしたスローモーションのアクションリプレイが流れ、その過程がX線ビジョンで映し出されます。頭蓋骨が砕け、眼球が破裂し、体のほかの部位が潰れます(ショウ氏によれば、プレイヤーはしばしば睾丸を狙って楽しむそうです)。詳細にシミュレートされ、弾丸が骨に当たって跳ね返る印象的な効果が描写されます。
 
これは、狙撃の技術が試される緊迫した局面で特に満足感が得られます。アシストなし、重力と風の影響をオンにした状態で1,000メートルの射撃を成功させるのは賞賛すべき成果であり、人間を花火のように爆発させる価値があるものです。ミッションは、より難易度の高い(より現実的な)条件下では数時間かかることもあり、そのためショウ氏自身は最も難しいオーセンティック設定ではプレイしません。

すべてのプレイスタイルに対応することの問題点は、プレイヤーが自分に合ったスタイルを見つけると満足してしまう可能性があることです。『スナイパー エリート5』では、キルリストを追加することでプレイヤーを快適な環境から引き離しました。『HITMAN』風のユニークなカスタムキルが各ステージに追加され、あるターゲットには特に残忍な死が待っています。たとえば、悪名高い毒殺者に自分自身の毒薬を味わわせることになります。

『レジスタンス』ではキルリストのターゲットが増えるだけでなく、新たにプロパガンダミッションも追加されます。このミッションを発見すると、ステージがタイムアタックとなって再スタートし、新しいルールに基づいて高得点を目指し、オンラインランキングに挑戦できるようになります。たとえば、発見されるのを回避することでポイントを獲得し、ステルスキルを行うごとに時間が増加していくステルス限定のミッションがあります。これは、Rebellionがプレイヤーにゲームのプレイスタイルの柔軟性を最大限に追求させる最新の方法です。
 

アメリカ人の英雄、イギリスのスタジオ


シリーズが今年20周年を迎える今になって、ハリーが輝きを放つ時が来たのは遅すぎるように感じます。Rebellionがイギリスのスタジオであることを考えると、なぜアメリカ人の主人公(厳密にはドイツ系アメリカ人)を選んだのか、私は質問せずにはいられませんでした。この疑問はショウ氏が関わる以前の決定に関係するものですが、彼はこれがアメリカのプレイヤーを引き付けるためであり、また米英陸軍の秘密兵器部門の幅広い軍事技術をシリーズに取り入れる賢明な機会でもあったと感じています。

Rebellionは使用する武器を重要視しています。このシリーズは、正確さへのこだわりを高く評価する第二次世界大戦の熱心なファンたちから成るプレイヤー層を築いてきました。また、第二次世界大戦の兵器に関する並外れた知識と膨大なコレクションを持つロイヤル・アーマリーズの協力も得ています。多くの場合、同スタジオのオーディオチームとアニメーションチームは、第二次世界大戦で実際に使用された武器をさまざまな距離から発射し、音声サンプルを再現しています。

「遠くからはいい音割れをしていますが、近くの射撃では大きく響き渡る音になります。部門はうまく機能していて、チームの全員が楽しんでいると思います」ショウ氏は少し考えてから、重要な点を付け加えます。「もちろん、彼らは武器にも細心の注意を払っていますよ!」
『スナイパーエリート:レジスタンス』インタビュー:敵陣の中枢へと踏み込む新たな挑戦 - グラップリング
『レジスタンス』で登場するショウ氏のお気に入りのひとつが、アメリカの半自動小銃、M1ガーランドです。これはジョージ・S・パットン将軍がかつて「史上最高の戦闘兵器」と称賛したもので、おそらくショウ氏と同じように、最後の一発を撃ったときのあの満足感をもたらす音に感心していたのかもしれません。「第二次世界大戦の歴史に詳しい人の多くが、この銃の音もお気に入りのひとつだと言うはずです」とショウ氏は述べています。

フランスのレジスタンスという設定により、実際のレジスタンスが使用していた武器から新たな武器が登場します。その中には、ハリーの主要な武器のひとつであるベルティエ1916小銃も含まれています。この古いボルトアクション式の余剰兵器は、信頼性の高い新型のMAS-36の不足により、フランス軍とレジスタンスの部隊によって広く使用されていた万能型の銃です。

現実と大きく異なる点は、銃のカスタマイズの幅広さです。たとえば、『スナイパー エリート5』に登場するイギリス製のNo. 4 Mk1のような歴史的な武器は、現実ではシリアルナンバーを共有する特別に調整されたスコープと組み合わせられていましたが、『スナイパー エリート』シリーズでは、プレイヤーが自由にカスタマイズできるようになっています。銃の挙動はそれぞれ異なりますが、好みのプレイスタイルに合わせることができます。たとえば、音の大きい武器を素早く撃つプレイヤーは、その破壊を長引かせるために大きなマガジンを好むかもしれません。
 

長距離での戦闘


『スナイパー エリート』シリーズは、印象的なほど多彩なマルチプレイヤーオプションを備えています。キャンペーンは2人協力プレイに対応し、16人によるPvPや協力サバイバルモードも搭載されています。『Dark Souls』によって人気になったマルチプレイヤー機能である侵入要素を搭載するのに、これほど適したシリーズはほかにありません。『スナイパー エリート5』で導入されたこの非対称PvPモードは、瞬く間に多くのプレイヤーに愛され、『レジスタンス』でも当然のように再登場を果たします。プレイヤーは枢軸国側に参加し、ハリーを銃撃したり、敵のAIを戦略的に配置して警戒態勢を強化させたりすることで、ハリーに対する挑戦の難易度を大幅に引き上げることができます。
 
「枢軸国側のプレイヤーは、一般的にAIを有利に使うことができます」とショウ氏は言います。「AIに連合軍のプレイヤーをより多く発見させることができる一方で、連合軍側のプレイヤーはただ座って待ち、枢軸国側の侵入者がどこにいるのかを探ることもできます。そこでは多くのいたちごっこが繰り広げられ、プレイヤーたちはお互いを追い詰める挑戦を楽しめると思います。もし敵をうまくやり過ごすことができれば、彼らが通り過ぎた後に背後から撃ったり刺したりすることも可能です」
 
この機能により、レベルデザインに新たなアプローチが必要になりました。一人ではなく、二人のスナイパーを考慮することです。

「見晴らしの良い高所があれば、マップの反対側にもその場所を見渡せる別の見晴らしの良い場所があります。つまり、どんな場所も安全ではないのです」とショウ氏は説明します。「レベルデザインでは、侵入者の存在も考慮し、両チームがバランスよく対戦できるように調整されています」
 

単なる現代的なシューターではない


第二次世界大戦を舞台にした作品は、『プライベート・ライアン』『パール・ハーバー』が興行収入を席巻し、『Medal of Honor』『コール オブ デューティ』が第二次世界大戦をテーマにしたFPSとしてベストセラーを記録した2000年代以降、人気が低迷しています。今や『コール オブ デューティ』は別の時代に移行し、『Medal of Honor』はほとんどの人にとって遠い記憶となっています。
 
しかし、ショウ氏にとって、第二次世界大戦の規模は依然として多くの可能性を秘めています。これまでイタリア、フランス、北アフリカが舞台となり、初期の作品ではドイツやロシアも登場したシリーズの20周年を迎える『スナイパー エリート』は、まだその一部を描写したにすぎません。さまざまな戦線でのロケーション、シナリオ、武器、技術が意味するのは、『スナイパー エリート』が今後も新たな素材を見つけ出し続けられるということです。
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この設定の魅力は、この時代の戦争がより人間的なものであった点にあります。ドローンによる遠隔攻撃や、信頼性の高い衛星画像が遠隔の軍司令部で利用される前の時代です。「もう少し地に足のついた、個人的な側面があった最後の戦争でした。敵陣の背後で一人の兵士が混乱を引き起こし、破壊工作を行ったのはこれが最後です」とショウ氏は言います。「ファンはその点を本当に楽しんでくれています。これは単なる現代的なシューターではありません。多くのメカニクスがより現実的で、超高速の銃撃戦ではないことが評価されているのだと思います」
 
第二次世界大戦という設定における最大の強みのひとつはナチスです。最近『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』で、インディ・ジョーンズとその熱心な拳が観客に再認識させたように、歴史上最も好まれる憎まれ役です。
 
「彼らには何をしていいんです。罪悪感を抱かずに済みますからね」とショウ氏は言います。しかし、チームは多くの敵兵士が戦うことを望まなかった戦争の現実を反映させることに注意を払ってきました。ハリーの双眼鏡は最初、敵の位置や警戒状態をタグ付けしますが、長時間の偵察を通じて、さらに多くのことが明らかになります。敵の武器や所持品、そして人物紹介という形で浮かび上がる彼らの真の姿です。
 
「これらの人物紹介によって、敵に新たな層が加わります」とショウ氏。「それぞれの敵に対して何をするのかをプレイヤーに意識的に選ばせることでも、多くのプレイスタイルやさまざまなプレイ体験を促すことができます。すべての人物紹介を読んで、『よし、こいつらはひどいから絶対に生かしておかない』と思うかもしれません。あるいは、そこまでひどくないから、気絶させて生かしておこうと思うかもしれません。おそらく、大半の人がそうだったように、彼らも戦場にはいたくなかったのです」

壊滅的な工作作戦がまたしても行われて敵が撤退したのであれ、頭蓋骨を粉砕するベルティエ小銃の一撃で犠牲者がまた一人増えたのであれ、その理由はともかく、ハリー・ホーカーが潜入している以上、敵がそこにいる時間はそう長くはないはずです。

『スナイパーエリート:レジスタンス』は、1月30日(米国時間)にEpic Games Storeでリリースされます。