『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は象徴的なアンチヒーローへの究極の称賛

2024.10.14
執筆:寄稿者:ポール・チェッキーニ

『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズにおいて、シャドウ・ザ・ヘッジホッグのようなキャラクターは他にいません。 コバルトブルーのソニックと対照をなすダークなキャラクターであるシャドウは、2001年の『ソニックアドベンチャー2』で登場して以来、ファンの間で大人気となり、時にはソニックをしのぐほどです。

SEGAとSonic Teamがファンの期待に応え続けているのも不思議ではありません。 シャドウは過去23年間にわたり、さまざまなゲーム、コミック、テレビ番組に数多く登場してきました。 2005年にはソニックのごく一部のキャラクターが実現させた、ソロゲームの主役にもなっています。
 
「シャドウの年」と親しみを込めて呼ばれる今年、かつてないほどシャドウに注目が集まっています。 当初、シャドウが主要キャラクターとして登場するソニックの最新映画『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』が12月に公開されるということで、話題を呼んでいました。
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しかし、伝統的な『ソニック』ゲームのステージと同様、Sonic Teamの責任者である飯塚隆氏はその勢いに乗ってさらなる飛躍を目指しています。 飯塚氏自身と彼が率いるチームは、シャドウの話題性を最大限に活用し、映画をさらに盛り上げるような新しい作品を創り出すことで、シャドウのファン層をさらに拡大できる絶好のチャンスが訪れていることを理解していました。

「Paramountが3作目でシャドウに焦点を当てようとしていたことはわかっていたんです」と飯塚氏は説明します。 「SEGAとしても、新たなゲームプレイでシャドウに焦点を当てたゲームを作りたかったんです。ここから、中村[俊(プロデューサー)]氏率いるチームとの共同作業が始まりました。 映画にシャドウが登場したのですから、ゲームの観点からもシャドウにスポットライトを当て、その世界的な人気をさらに高めるような何かが必要でした」

ここ数年、Sonic Teamは往年のタイトルのリマスターで大きな成功を収めてきました。 彼らは膨大な数の過去のカタログを改めて調べ、ファンの人気が高かったあるゲームに注目しました。2011年のヒット作である『ソニック ジェネレーションズ』は、往年のソニックと現代のソニックが登場し、シリーズ最初の20年間における象徴的なステージや場面を振り返り称えるものでした。

すべてがあるべき場所に納まりました。 SEGAとSonic Teamの目的は、シャドウの盛り上がりにさらに勢いをつけることでした。 『ソニック ジェネレーションズ』は多くのファンに人気がありました。 この2つを同時に解決する方法はあったのでしょうか? その答えが『ソニック ジェネレーションズ』のリマスター版で、オリジナル版のストーリーと並行して繰り広げられるシャドウ中心の新たなキャンペーンを含む『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』でした。 『ソニック ジェネレーションズ』がソニックの歴史を祝ったように『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』はシャドウの歴史を祝っています。

シャドウには本当に深い歴史が存在しているのです。
ソニック × シャドウ ジェネレーションズ - 7

テリオス

1990年代後半の構想段階でシャドウは、ひどい目の傷と粋なスカーフが印象的な黒いハリネズミ、テリオス(「反射像」の意)として知られていました。 スポーンのようなアメリカのダークヒーローにインスパイアされたテリオスは、その名のとおり、ソニックのダークな対極として登場することになっていたのです。

やがて、ファンの愛する現在の「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」へと変貌を遂げました。 初期の姿を彷彿とさせる楽しい企画として、『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』デジタルデラックスエディションを予事前購入した方には、特別にデザインされたシャドウ用のテリオススキンがプレゼントされます。 「コンセプトキャラクターであるテリオスとしてゲームをプレイできるのは、おそらくこれが最初で最後でしょう」と飯塚氏は語ります。

物語の中で、シャドウはプロフェッサー・ジェラルド・ロボトニックにより、究極の生命体として創り出されました。厳密には、彼の孫娘マリアの命にかかわる重病を治す方法を解明するための1つの実験としてです。 しかし、政府は「プロジェクトシャドウ」を脅威とみなし、実験を中止させるために部隊を派遣します。 その過程で、シャドウは深い絆で結ばれていたマリアによって脱出ポッドに避難させられ、その後彼女が殺される場面を目撃してしまいます。
 
悲しみに打ちひしがれたシャドウは、人類への復讐を誓うものの、軍に捕らえられ隔離されます。 50年間、仮死状態のまま閉じ込められていたシャドウは、『ソニックアドベンチャー2』の冒頭でジェラルドの子孫であるDr.エッグマンに発見されます。

ソニック・ザ・ヘッジホッグのキャラクターとしてはかなり暗い過去ですが、飯塚氏はこうした背景がファンの間でシャドウが即座に人気となった理由だと考えています。

『ソニックアドベンチャー2』で、シャドウはソニックのライバル的なキャラクターとして登場しました」と飯塚氏。 「しかし、それまでの『ソニック』シリーズでは、生い立ちの物語を伴うキャラクターはいませんでした。 生い立ち、存在する理由、動機など、チームが初めて深く踏み込んで考えたキャラクターでした。 だからこそ、ファンはシャドウと強い絆を築き、理解し、本当に気に入ったのだと思います」

『ソニックアドベンチャー2』で、シャドウはソニックたちの敵として登場し、世界征服を狙うエッグマンがカオスエメラルドを集める手助けをしていました。 しかし、ゲームのクライマックスまで、シャドウの真の意図が明らかになることはありませんでした。それは、自分を裏切り、唯一の家族を奪った星を破壊することでした。

シャドウはすぐに自分の過ちに気づき、マリアの最期の願いが人類を守ることだったと理解するようになります。そしてゲームの最終決戦で、シャドウは唯一の真の友が愛する星を守るために、自らの命を捧げたかのように思われました。 こうして、シャドウ・ザ・ヘッジホッグの物語は幕を閉じたのです。

…少なくとも、このキャラクターが『ソニック』の人気チャートを急上昇していなければ、そうなっていたでしょう。

「昔は今のようなソーシャルメディアがなかったので、ゲームをリリースしても、世間の反応をすぐに知ることはできませんでした」と飯塚氏は振り返ります。「しかし、チームにはファンからたくさんの手紙が届いていました。 世間ではシャドウがカッコいいキャラクターだと話題になっており、もっと見たいという声が多数寄せられました。 SEGA社内でも、『シャドウは最高だね。 次のゲームにもぜひ登場してほしい』 と多くの人々が盛り上がっており、このような会話が飛び交っていました。 『ソニックヒーローズ』を制作していたとき、チームはシャドウをソニックの世界に呼び戻し、そのキャラクターでさらに多くのストーリーを語りたいと考えていたのです」

そして、わずか一作品後の2004年、『ソニックヒーローズ』でシャドウは復活を果たしました。とはいえ、『ソニックアドベンチャー2』の終わりで死んだと思われたシャドウなのか、それともDr.エッグマンが作り出したアンドロイドなのかについて、当時ファンたちの間で激しい議論が交わされました。

その謎は、2005年に発売されたシャドウの同名ゲームまで明かされることはありませんでした。ゲームではエッグマンがシャドウを見つけ出し、回復するまで看病していたことが明らかになりましたが、それ以前に、エッグマンは自身のためにシャドウのアンドロイド軍団を実は作り上げていたのです。 シャドウの誕生に関する詳細も明らかになりました。その中にはシャドウの生みの親であるプロフェッサー・ジェラルドは、シャドウを完成させるためにブラックドゥームという邪悪なエイリアンの指揮官にDNAサンプルを求めたという事実も含まれています。

この物語は2006年の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』で完結しました。シャドウはスペシャルエージェントとして軍に加入し、ついに過去を乗り越え、マリアの望みどおり、地球を守るために全力を注いだのです。
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ブラックドゥームの復活

2000年代後半以降、シャドウはテレビやコミックには定期的に登場していたものの、世間の注目は青いハリネズミのソニックに集まり、シャドウはソニックのキャラクターの中でやや影が薄くなっていました。 『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』では、シャドウとその深い歴史が約20年ぶりに再び脚光を浴びることになります。

オリジナル版『ソニック ジェネレーションズ』では、タイムイーターと呼ばれるバケモノが時空を歪め、ソニックの仲間たちを連れ去ります。そしてソニックにかつての場所を訪れ、敵と再び対決することを迫るのです。 ゲームのキャラクターの大半がソニックに救われるまで時が止まった状態になるのに対し、シャドウはゲームのほぼ全体を通して明らかに存在感がなく、ゲーム終盤のちょっとしたボス戦でしか活躍しません。

『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』のプロデューサーである中村俊氏は、この新しいシャドウ中心のキャンペーンで、いくつかの空白を埋めようとしています。

「チームにこう言われたんですよ。『『ソニック ジェネレーションズ』にシャドウが登場したので、 『ソニック ジェネレーションズ』の物語が繰り広げられている間、シャドウが何をしていたのか、そのストーリーを描いたら面白いのでは?』とね」と中村氏。 「そこからスタートしたアイデアが、シャドウのストーリーはソニックと時を同じくして起こっているというものです」

タイムイーターによって時空構造が乱れたことで、シャドウもまた、過去の場所や人物を再び訪れることになります。 中には、生みの親であるプロフェッサー・ジェラルドや親友のマリアなど、懐かしい顔ぶれもいます。

シャドウの宿敵であるメフィレス、バイオリザード、ブラックドゥームといった他のキャラクターはそれほど友好的ではありません。 後者はシャドウのキャンペーンの最大の敵として登場します。 飯塚氏は、Dr.エッグマンのような他の悪役とは異なり、ブラックドゥームがシャドウの敵役としてふさわしい理由について、次のように語っています。

「ソニックとエッグマンは、常に敵対し合う関係です」と飯塚氏。 「ソニックとエッグマンは最高の組み合わせですね。 とても相性が良いのです。 お互いが最高のライバルです。 そしてチームは、シャドウ対エッグマンでは、あまりしっくりこない感じだったんです。 シャドウはダークで、とても個性の強いキャラクターです。 そのため、シャドウよりもダークで、強力なキャラクターが必要でした」

「ブラックドゥームのアイデアは、そんなところから始まりました。 ご存じのように『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』では、最後にシャドウがブラックドゥームを倒しますが、今回は『ジェネレーションズ』ですから、復活させることができるのです」

飯塚氏は、シャドウとブラックドゥームのライバル関係がどのように描かれるか、また、シャドウとソニックのストーリーが結びつく可能性があるかなど、詳細については口を固く閉ざしていますが、ゲームの物語は魅力的で驚きに満ちたものになるはずです。
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レールキャニオン


もちろん、シャドウの過去の(あるいは未来の)代表的なステージが登場しなければ、シャドウの祭典とは言えません。 シリーズの歴史から厳選されたファンに人気のステージが『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』に新たに登場します。『ソニックアドベンチャー2』の「ラジカルハイウェイ」、2006年の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の「キングダムバレー」、さらに最近の『ソニックフォース』から「サンセットハイツ」や『ソニックフロンティア』の「カオス島」などが含まれます。

『ソニック ジェネレーションズ』に登場するステージの一部は、ファンによるオンライン投票によってソニックの歴代シリーズから選ばれました。 今回そのような投票は行われませんでしたが、チームはどのシリーズのどのステージがオリジナル版に登場しなかったシャドウを表現するのに最適かを決定するため、懸命に取り組みました。

「飯塚さんとは、どのステージを選ぶか、ゲームでプレイヤーにどんなエリアを楽しんでもらうかについて、よく話し合いました」と中村氏は語ります。 「できるだけたくさんの要素が盛り込まれるようにしたかったんです。 プレイヤーが楽しめるバラエティに富んだ異なるエリアが必要でしたが、同時にプレイヤーにとって本当に馴染みのある場所でなければなりませんでした。シャドウが大好きな人が、ゲームの中で見てみたいと思うような場所です。 また、これらのステージでシャドウが使える新しい能力を盛り込むことも重要でした」

「こうしたアイデアはすべて議論され、最終的には、飯塚さん、チーム、そして私が、できるだけ多くの条件を満たしていると感じたものを選択しました」と中村氏は続けます。

復活したステージのなかに、飯塚氏の心の中で特別な位置を占めているものがひとつあります。

「復活したステージの多くを楽しむことができましたが、私の一番印象に残っているのは『ソニックヒーローズ』のレールキャニオンです」と飯塚氏は語ります。 「昔、私が自分でデザインしたステージなんです。 通常、ソニックはずっと地面を走っていますが、 地面がまったくないステージを作ってみようと自分を奮い立たせました。 レールのみでステージを作るものの、楽しく、良質なものである必要がありました。 どのような要素を盛り込めば、レールのゲームプレイを最初から最後まで楽しくできるのでしょうか?」

「私が最初に作ったこのクラシックステージが復活して、現代風にアレンジするためにアート&デザインチームが取り組んだ素晴らしいグラフィックや仕事を見られて、本当に嬉しかったです」と飯塚氏は続けます。 「とてもきれいなビジュアルで、アレンジも良いと思いました。 単に古いもののリメイクというわけではありません。 『ソニック ジェネレーションズ』向けのフォーマットにアレンジされています。 復活したものを見ることができて本当に満足です」
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カオスを制御する


『ソニック ジェネレーションズ』が発売されてから13年が経過し、その間、『ソニック』の基本的なゲームプレイにさほど変化はありませんが、Sonic Teamは後続のタイトルでその方式にいくつかの調整を加えています。 往年の『ソニック』スタイルに立ち戻りながら、同時にシャドウ用に新しいものを作成することは、チームにとって興味深い課題でした。

『ソニック ジェネレーションズ』を完成した製品として捉え、2024年になった今、『ソニック ジェネレーションズ』のゲームデザインをどのように強化できるか考える必要がありました」と中村氏は説明します。

「何がシャドウをカッコよくするのか? 『ソニック ジェネレーションズ』スタイルのゲームの本質を維持しながら(そのデザイン哲学に基づいて構築されていることを前提としているため)、同時にシャドウに焦点を当て、2011年当時のハードウェアには存在しなかった技術を活用することで新鮮さと独自性も感じられる新しい『シャドウ ジェネレーションズ』のゲームプレイを開発する方法を考える必要があったんです。 『シャドウ ジェネレーションズ』の部分を制作する際のチームの思考プロセスはこんな感じでした」と中村氏は説明します。

ソニックと同様に、シャドウのゲームプレイスタイルも何年もの間に何度か調整されてきました。 シャドウはソニックのほぼすべての技を使えるだけでなく、武器、格闘技、カオスベースのパワーを使った戦闘も行ってきました。 シャドウの代表的な技はカオスコントロール技で、カオスエメラルドの力を利用して時間を操作し、敵との戦闘中に移動速度を上げることができます。 『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』で、中村氏とチームはこの昔からある能力を活用するためのエキサイティングな方法を新たに開発しました。

中村氏はこう話します。「カオスコントロールは敵を倒す際の必殺技として使用されていました。 でも、このゲームでは必殺技だけではありません。 ゲームのほぼどこででも使用できます。 カオスコントロールはシャドウを象徴する技なので、ステージのレベルデザインに組み込むことを目指しました。これにより、ステージを進むにつれて時間を一時停止し、その結果アクセスできるエリアを見つけることができます」

「プレイヤーの皆さんが、そういった瞬間にカオスコントロールを楽しんで、ゲームに取り入れたレベルデザインの秘密の多くを発見してくれることを心から願っています。 これは本当にすばらしくユニークな能力だと思います」と中村氏は続けす。

また、シャドウにはドゥームパワーと呼ばれる新しい能力セットがあり、戦闘スキルを強化して困難な地形を切り抜けることが可能になります。 たとえば、ドゥームブラストは三日月形の暗黒エネルギーの波を放ち、敵を高く飛ばします。一方、ドゥームモーフではシャドウが奇妙なイカのような生き物に変身し、紫色のエネルギーが溜まった危険な場所を高速で横切ったり、グラップルポイントからスイングしたりできるようになります。 これらの新しい能力は、シャドウをソニックとメカニズム的に区別するために特別に作成されたものです。

「シャドウは目的を達成するためなら何でもするキャラクターです」と中村氏。 「使えるものなら何でも使います。 ブラックドゥームの登場は決まっていたので、シャドウに新たな能力を与える絶好のチャンスだと考えました。 『ソニック』は走り、ジャンプし、そしてグラインドすることに重点を置いたハイペースのプラットフォームアクションゲームですが、シャドウならではのゲームプレイにするには、彼にどんな能力が必要なのでしょうか?」

「私たちの目標は、シャドウに幅広いエキサイティングな能力とアクションを与えて、『シャドウ ジェネレーションズ』『ソニック ジェネレーションズ』セグメントとは一線を画すものになるようにすることでした」と中村氏は続けます。 「ドゥームパワーはカッコいいだけでなく、ステージを進めるための新しい方法を考案することができるため、シャドウの能力とスタイルを忠実に反映したゲームプレイが実現しました」

ドゥームパワーはシャドウがゲームの中心となる世界を進むための自然な手段としても機能します。 オリジナル版の『ソニック ジェネレーションズ』には、ゲームのさまざまなステージをリンクする、ホワイトスペースと呼ばれるシンプルな2Dハブが含まれていました。

このコンセプトは、シャドウのキャンペーンで大きく発展しました。 シャドウが遭遇するホワイトスペースは、小さな2Dエリアではなく、2022年の最新ソニックゲームである『ソニックフロンティア』にあるオープンゾーンを彷彿とさせる広大な3Dプレイグラウンドです。

『ソニックフロンティア』では、オープンゾーンのゲームデザインアプローチを利用して、プレイヤーが独自の方法で探索できる広大でオープンな環境を作り出すことが目標でした。 『シャドウ ジェネレーションズ』セクションのホワイトスペースハブワールドを開発する際、プレイヤーに同等の体験を提供することを目指しました」と中村氏は説明します。

『ソニックフロンティア』から得た多くの教訓を『シャドウ ジェネレーションズ』に取り入れ、この巨大な島を凝縮し、オープンゾーンの本質はそのままに、よりコンパクトで、簡単に移動できるオープンゾーン体験に変えました」 「これを実現する方法のひとつが、ドゥームパワーを使用することです。 プレイヤーが走り回ることができるエリアには制限がかけられています。 新しいドゥームパワーを得ることで、ホワイトスペースハブワールド内でアクセスできる新しいエリアを見つけることができます」と中村氏は続けます。
ソニック × シャドウ ジェネレーションズ - 2

往年の作品を現代風に


多くのプレイヤーにとって、シャドウに焦点を当てた新しいキャンペーンが主なハイライトとなる可能性が高い一方で、オリジナル版の『ソニック ジェネレーションズ』にもアップグレードが施される予定です。 結局のところ、ゲームデザインは過去13年間で、Sonic Teamにとっても業界全体にとっても大きく変化してきたのです。

Sonic Teamは、ファンに元々人気があった核となる体験を維持しながら、リマスター版に便利な新機能を追加することに慎重に取り組んでいます。 たとえば、ファンに大人気のドロップダッシュは、2017年の『ソニックマニア』で初めて登場した、昔ながらのソニックのスキルセットでも新しい技です。 これを『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』に追加するのは自然な選択のように感じられ、中村氏とチームはファンがこの追加を高く評価するであろうことを確信していました。

一方でチームは、現代のプラットフォームゲームでは徐々に減少している、昔ながらのライフシステムとゲームオーバーを削除することを決定しました。

『ソニック ジェネレーションズ』は皆に愛されている名作なので、その基礎は変えたくありません。 同時に、『ソニック ジェネレーションズ』の多くの要素が少し時代遅れに感じられることは認識しており、それを現代に合った内容にすることを目指しました。 核となるゲームプレイ体験の特定の側面を調整しましたが、ステージを変更したり、まったく異なるものに変えたりしないよう心がけました。 私たちが提供したかったのは、『ソニック ジェネレーションズ』の体験なんです」と中村氏は述べています。

確かに、『ソニック ジェネレーションズ』は、各ステージを一度だけプレイしてその後は再びプレイしないプレイヤーにとって、特に長いゲームではありませんでした。 こうしたプレイヤーは、ゲームのレベルデザインの細かい部分を完全に体験しきれていない可能性があるため、Sonic Teamは全体的な体験を向上させることを目的とした新しい機能を追加しました。

中村氏はこう説明します。「私たちは、プレイヤーにステージの奥深くまで探索し、ACT内の新エリアの探索を楽しんでもらいたいと考えています。そのため、チャオレスキューという新しいシステムを導入しました。 チャオがさまざまなステージに隠されており、新しいエリアに足を踏み入れ、オリジナル版の『ソニック ジェネレーションズ』では訪れなかった場所を探索することで、チャオを発見できるかもしれません。 これによって、一度のスピードランで終わりではなく、ステージをより深く探索する意欲を起こさせます」

この新機能を考慮に入れなくても、ゲームのシャドウの部分は、ソニックのキャンペーンの長さとほぼ同じだと中村氏は述べています。
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『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』デジタルデラックスエディション』はリリース時にすべてが利用できるわけではないものの、購入したプレイヤーにはさらに多くの楽しみが待ち受けています。 シャドウの追加スキンでは、シャドウが映画版のキャラクターに変身します。これには、キアヌ・リーブスの声と、映画のロケ地に基づいた追加ステージが含まれています。 その他の特典には、デジタルアートブック、サウンドトラック、前述のテリオススキンが含まれます。 「『デジタルデラックスエディション』を購入すると付いてきますよ」と飯塚氏は説明します。 「事前購入や購入される方は、デジタルデラックスエディションを選ぶことをお勧めします。素晴らしいコンテンツがたくさん付いてきますから」

オリジナル版の『ソニック ジェネレーションズ』はソニック・ザ・ヘッジホッグの20周年を記念して開発されました。 『ソニックアドベンチャー2』でのシャドウの登場と『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』のリリースとの間の期間がさらに長いことは興味深い事実です。 これはシャドウの根強い人気を反映しており、シャドウのさらなる活躍であれ、しばらく登場していなかった他のキャラクターにスポットライトを当てることであれ、Sonic Teamはファンが望むものを今後も提供していきたいと考えています。
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中村氏はこう語ります。「こんなにもたくさんのゲームがあり、キャラクターがいるんです。 このソニックの世界では、たくさんのストーリーが育まれてきました。 皆さんに応援していただき、私たちがソニックの世界の開発と拡大を続けられることを嬉しく思います。 ファンの皆さんからは特定のキャラクターの復活を求める声が常に出ていますが、私たちの作品に示してくださる愛情を、チームは心から大切に思っています。 さまざまなキャラクターを復活させてほしいという要望を多数いただいており、私たちも出来る限りそれに応えたいと思っておりますが、リソースも時間も限られています」

「私たちはこれからもゲーム作りを続け、ファンの皆さんに楽しい体験を提供していくつもりです。 両チームとも全力を尽くし、私たちの仕事に皆さんが満足していただけるよう尽力しています」