
『Control Resonant』:謎と畏敬が渦巻くマンハッタンで、超常現象の最前線と人類が激突

ニューヨークのどこかにある賑やかな通りに立っていたジェシー・フェイデンは、2019年、ドアを通り抜けてオールデスト・ハウスへと足を踏み入れました。それは、彼女を永遠に変えることになる超常的な世界への降下の始まりだったのでした。6年以上経った今、彼女の弟のディランは逆の方向へと進んでいます。
クリエイティブディレクターMikael Kasurinen氏が語るように、『Control』は、ジェシーが連邦操作局(FBC)の局長として権力を握っていく過程を描いています。それは、見慣れた世界から始まり、瞬く間に未知へと溶け込んでいく旅であり、プレイヤーは、超常的な存在や、恐るべき異次元の生命体、そしてゲームの結末をもってしてもその表面をかすめたに過ぎないほど広大な謎に満ちた現実に引き込まれていきます。
「それが彼女の運命だったのです」と、Kasurinen氏は語ります。「「Resonant」の最初の5分間は、ディランがオールデスト・ハウスの外へ足を踏み出す場面から始まります」
そして今、『Control Resonant』の2026年のリリースが近づく中、ジェシーの弟、ディランは、誰も見覚えのないニューヨークの街へと、最初の一歩を踏み出し、不本意ながら、その人生のほとんどを通して故郷と呼んできた場所から脱出しようとしています。ジェシーの旅が封じ込めによって定義されていたのに対し、ディランの道は外へと向かい、彼がこれまで本当にに知らなかった世界へと続いています。彼の物語は、超常現象に深く根ざしながらも、発見と、人間であることの意味を理解しようとする試みへと発展していきます。

「ここには逆の旅があります」とKasurinen氏。「それはまた、空間の反転をもたらすのです。オールデスト・ハウスは、圧迫感があり、閉塞的であると感じられます。ディランはそれに慣れています。今、太陽の光の中へ足を踏み入れるのは、彼にとって新しいことです。私たちにとては当たり前のことでも、ディランにとっては奇妙なことなのです」
Remedyは、『Control』とその続編を、姉妹作つまり超常現象アクションアドベンチャーとRPG要素の強い続編という、2人の主人公であると捉えています。それぞれのゲームは互いに補完し合いながら、異なるゲームプレイと物語の方向性を打ち出しているのです。
Remedyの他の神秘的なシングルプレイヤーアドベンチャー作品と同様に、Controlは、ジェシー・フェイデンが、異次元の力に支配された秘密の連邦機関のメンバーが占拠する巨大なオフィスビルで戦って行く物語を辿っています。その影響は、頭から離れない「イヤーワーム」と表現されています。ジェシーは、弟を見つけるというただ一つの目標に向かって突き進んでいきます。
最終的に、死体、不穏な科学実験、そして人間の理解を超えた現象を含む一連の恐怖を乗り越え、ジェシーはついにディランと再会します。FBCに誘拐され、生涯離れ離れになっていた弟を、彼女は操作局を蝕む汚染から解放します。
『Control』に続くDLCで明らかにされた、謎のスライドプロジェクターが原因の壊滅的な出来事の後、両親を亡くしたメイン州オーディナリーでのジェシーとディランの子供時代についてさらに詳しく知ることになります。前回は、ディランが昏睡状態に陥るところで終わりましたが、そこから再び彼の物語が始まるのです。

操作局から街へ
ディランが目覚めたのは、危機に瀕した操作局の中だけではありませんでした。数年ぶりに自我を取り戻しつつある中、ディランは既知と未知の多次元的な存在によって侵食された街全体を目にすることになります。
プレイヤーの視点は、超常現象実験が行われている、殺伐として果てしない迷宮のようなオフィスビルから、より開放的で現代的、かつ次元が歪んだニューヨーク市へと彼を追うことになります。かつて、連邦操作局の存在すら知られていなかった街では、奇妙な異常現象が起こり、以前は封じ込められていたクリーチャーたちが徘徊しているのです。
木や車のような「ごくありふれたものを目にすることになるでしょう」とKasurinen氏は言います。「そして、これらのクリーチャーがそれらの隣を歩いているのを目にするでしょう。」「真っ昼間にこの感情的な恐怖感出すというのは、なかなか容易ではありません」
Kasurinen氏をはじめとするRemedy開発チームは、プレイヤーがこの歪んだマンハッタンを初めて体験する際に衝撃や恐怖さえ感じてほしいと考えているため、『Control Resonant』の多くは依然として謎に包まれています。オールデスト・ハウスからヒスやその他の存在が脱走する原因となった大惨事は不明ですが、新たな何かが出現しており、FBC(連邦操作局)はそれを制御する準備ができていません。
ディランの物語では、Remedyファンに馴染みのある要素と、馴染みのない要素が混在しています。「ヒス」や「モールド」のような敵が、オールデスト・ハウスを越え、ニューヨークにまで広がっているのです。最初のゲームの出来事によって壊滅寸前になった操作局自体は、新たな大惨事への対応を試みながら、依然として活動を続けています。これらの要素は『Control』や『FBC: Firebreak』で探求されてきたものの、その起源についてはほとんど解明されていません。「Resonant」は、それらの糸をたぐり始めます。
「ただし、少しだけです」とKasurinen氏は続けます。「説明しすぎると謎が台無しになってしまいますからね」ヒスは予測不可能でなければならないのです。次に何が起こるかわからないようにするために。「すべてを説明してしまうと、謎の多くが台無しになってしまうのです」
マンハッタンは、『Control Resonant』のまさに心臓部であり、それはオールデスト・ハウスが『Control』の要であったのと同様です。Remedyは、プレイヤーが体験できることを拡大しながらも、深まっていく不可解な謎めいた感覚を維持したいと考えていました。そこで、『Control』が持つ、あらゆる疑問がさらに疑問を生み出すような何層にも重ねられた謎と、リアルタイムで展開される都市全体を巻き込む混乱の感情的なスケールを融合させることを目指したのです。
プレイヤーは、以前であれば、常に監視をしていないと命取りになってしまう冷蔵庫のそばを通った時と同様の疑問を、変貌してしまった路地や通りを進む中で抱くことになるでしょう。

無制御のニューヨーク
ジェシーとしてオールデスト・ハウスを戦い抜く中、オフィスルーム、研究室、封じ込めユニットが複雑に入り組んだその空間は、ある程度プレイヤーにとって開放されたものでした。それは非線形的な体験であり、どこへ行くか、どのような異常事態に遭遇するかについては、ある程度の自由度がありました。
建物内の世界は明確に区切られた区画に分かれており、多くは企業のオフィスにあるような実際の部署に似ていましたが、奇妙な悪夢から抜け出してきたように感じられるものもありました。プレイヤーはこれらの空間を徒歩やエレベーター、時には換気ダクトを通って進みました。『Control』の世界では、オールデスト・ハウスは絶えず変化していたため、ゲームの進行にとともに新たな道が開かれました。
Remedyは、『Control Resonant』を「オープンエンド型」であると説明しており、中央のハブエリアは連邦操作局の拠点事務所およびチェックポイントとして位置づけられています。プレイヤーは、そこから遠くのランドマークを見渡すことができ、すでに異次元の力の影響を受けている他のゾーンを見ることができます。ヒスやモールドといったさまざまな存在が、特定のエリアを完全に占拠し、その構造を、人間が知っている法則が通用しないものへと変容させているのです。
「世界がよりはっきりと見えるようになるのです」とKasurinen氏は述べます。「本作は、私たちのインスピレーションの源となった『Control』よりも自由度が高く、他のゲームと比較して、より綿密に作り込まれた世界観になっています」
それぞれのゾーンには、そこで何が起こったのかという物語があり、プレイヤーは、自分のペースでその物語にアプローチをし、展開していく個々の災厄に、いつ、どのように関わるかを決めることができます。

我ら歌う、灰皿の迷路
『Control』と『Alan Wake 2』はどちらも、探索をゲームデザインの中核に据えていますが、最も印象的な瞬間のいくつかは、Remedyがプレイヤー主導のナビゲーションから離れ、代わりにガードレールを外してしまい、ペースや空間、スペクタクルを完全にコントロールする厳密に作り込まれた幻想的な場面を通してプレイヤーを導くことで生まれます。
『Control』では、「灰皿の迷路」がその哲学を最も明確に表現しています。それは、音楽に合わせて周囲で変化する完全に反応的な空間をジェシー・フェイデンが進んでいく、現実を歪める変幻自在の迷宮であり、敵対的な異次元構造が、超現実的でリズム主導の戦闘と動きの連続へと変貌いきます。あり得ないような建築物の内部で方向感覚を失うことから始まる体験が、徐々に勢いと流れへと変化していきます。環境自体が障害物であると同時にリズムとなり、まるで振り付けをされたように感じられると同時に、即座にプレイヤーに反応するのです。
『Alan Wake 2』の「我ら、歌う」は、そのアイデアを別の方向に発展させ、物語の展開をパフォーマンスへと変容させています。この一連のシーンでアラン・ウェイクは、自身の物語の移り変わる舞台のような世界へと引き込まれていきます。彼を取り巻く世界は、戦闘、物語、自己省察が融合した、途切れることのない振り付けされたミュージックビデオと化していきます。レベルの構造が常にパフォーマンスとスペクタクルを中心に再構築されるため、それは空間を進んでいくのではなく、空間の中を運ばれていくようなものなのです。
「プレイヤーがそれらのシーンで何を気に入っているかについては我々もよく理解しています」とKasurinen氏はそう言ったものの、『Control Resonant』の今後の物語の展開については語ろうとしませんでした。
Kasurinen氏は、「Resonant」の開発中にRemedyが従ったクリエイティブの柱を説明する中で、『Control』でプレイヤーが感じた畏敬の念が、再び蘇るだけではなく、オールデスト・ハウスの境界をはるかに超えて広がる世界で、さらに拡大していくことをチームが期待しているのだと述べています。
「人々がこの世界に足を踏み入れる際に、畏敬の念を呼び起こしたいのです」と氏。「それは恐怖と興奮が入り混じって、それらが同時に押し寄せてくるような感覚です」

『Control』の最初から
最初の『Control』でゲームディレクターを務めたKasurinen氏は、そのオリジナル版が2019年にリリースされるずっと前から、次の作品について考えていました。最初のゲームの開発段階から、チームはすでに、後に再検討したり、新たな文脈で展開できるようなアイデアや、環境の詳細、物語の断片などを盛り込んでいたのです。当時、それらの要素はロードマップというよりも、意図的に余地を残した一連の可能性のようなものでした。
氏は2020年に、後に『Control Resonant』となる企画の提案を始め、同時に同年リリースされた『Control』の2つのDLC拡張パックの全体的な監督も担当しました。初期の話し合いの段階では、続編は明確なプロジェクトというよりは、あくまで概念的な方向性として存在していました。それは、スタジオが次にどのような世界観を展開できるかを模索する中で、徐々に形作られていきました。
氏は、「最初の数年間は、下地作りが大半を占めていました」と述べ、その構想が正式に承認されたのは、2022年になってからだったと付け加えました。Remedyは、複数のプロジェクトを手がけるスタジオであり、『Alan Wake 2』を含むいくつかの大型プロジェクトがすでに同時に進行していました。「プロジェクト同士が衝突しないように、積み重ねて進めていくのです」と氏は説明します。
その構造により、「Resonant」は他の大型タイトルと並行して開発を進めることができましたが、その一方で、チームはアイデアをいつ、どのように完成させるのかを意図的に取り組む必要がありました。すべて個別にすすめることはできなかったのです。
「Resonant」の舞台をニューヨーク市内に設定するという決定が下されると、チームはより差し迫った実用的な問題に直面しました。それは、既存のテクノロジーで、構築したいと考えている世界をサポートできるのか、ということでした。その評価の多くは、Remedyの独自のエンジンとツールセットであるNorthlightに焦点をあてたものでした。当時、チームは「Resonant」で考えている密度と体系的な予測不可能性に、それが対応できるか、完全には自信を持っていませんでした。
その後、継続的な技術の拡張が行われました。新しいツールが開発され、既存のワークフローが再構築され、異次元の不安定性が重なり合う大規模な都市環境により適切に対応できるよう、内部システムが改良されたのです。それは、リアルタイムで世界そのものがどのように創造され、変更され得るのかを再考するものです。
その開発スケジュールは、『Control』の世界観そのもののより広範な拡大と並行して進められました。「Resonant」と並行して、Remedyは、オールデスト・ハウスの内部でヒスと対峙することを中心とした協力型PvE体験である『FBC: Firebreak』を開発していました。これらのプロジェクトが一体となって、『Control』が単一の物語としてだけでなく、さまざまな形式にわたる、つながりのある体験のエコシステムとして、どのようなものになり得るかという、広範な枠組みが定義され始めたのです。
同時に、Remedyのより広範な作品群は、スタジオが「Remedy Connected Universe (Remedyのつながった世界)」と呼ぶもの、あるいは「Remedyverse (レメディバース)」と呼ばれるものの一部として、ますます話題にあがるようになっています。それぞれのゲームは独立した作品であるものの、繰り返し登場するテーマや物語の流れが存在し、意図的なクロスオーバーやストーリー間の構造的な接合により、深い繋がりが示唆されているのです。
アラン・ウェイクは、例えば『Control』の「AWE」拡張パックに直接登場し、ブライトフォールズで起きた出来事を、連邦操作局の捜査に結びつけています。他の場所では、キャスパー・ダーリング博士や清掃員のアーティといった人物が、『Control』の物語の様々な場面に引き続き登場します。また、その他の出来事や現象の残響も、スタジオの作品全体に繰り返し登場しています。これらの繋がりは、キャラクターと説明のつかない力が個別の出来事を通して共鳴し合い、重なり合う現実として提示されていますが、その全容はまだ部分的にしか理解されていません。
「私たちは、『Control』が幅広いシリーズとなることを望んでいましたが、すべては努力して手に入れる必要がありました。何でもできるというわけにはいかなかったのです」と、Kasurinen氏。「『Firebreak』には少し手こずりましたが、全てを慎重に検討しました。シングルプレイヤーとマルチプレイヤー、そしてその両者が重なる部分を含めるという、大まかな計画があります」
氏はさらに、シングルプレイヤーすべてにおいて、統一された構造は一貫していますと付け加えました。各物語は、現実を根本から変容させるような大災害から幕を開けます。それによって、登場人物も組織も、完全に理解を越え、おそらく完全に制御できないであろう力への対応を迫られることになります。

Remedyは、『コントロール』を掌握しているのか
Controlのような長期シリーズの物語は、時が経つにつれて、オリジナルのクリエイターから離れてしまうことがあります。ゲームのストーリーが開発過程で自然な形で進化することは珍しくなく、新しいアイデアが形になるにつれて、後から説明が追加されたり、修正されたり、あるいは意図的に未解決のまま残されたりします。構造と即興の間にある領域では、解釈がデザインそのものの一部となることがよくあります。
Control のコミュニティは、その曖昧さを受け入れ、ヒス、ジェシー・フェイダン、キャスパー・ダーリング博士、そしてゲーム内で完全に説明されることのない出来事の背後にある動機をについて広範な理論を作り上げてきました。確実である物語と説明のつかない現象の間にあるギャップは、どのようにプレイヤーが世界と関わるかという点で、中心的な要素なのです。
「私たちは、登場人物たちの意図と今後の方向性についての考えがあります」と、Kasurinen氏は述べます。「それはまるで、彼らをボートに乗せて、水の中に放り出すようなものです。ダーリング博士と同様に、何らかの形で登場することもあるし、何をしたいかが、はっきりとわかることもあります。また、登場人物を『Alan Wake』の世界にクロスオーバーさせる場合は、Sam Lake氏とのも多くのコラボレーションを行っています」
『Control』のようなゲームでは、ストーリーの多くが音声ログ、散らばった文書、そして環境を利用した物語を通じて語られるため、直接的な説明がないことは偶然ではありません。むしろ、そうした欠けている要素は、完全な明確さよりも発見と解釈を重視する、より広範な物語の手法の一部となのです。
「簡単に言えば、もちろん、計画はあります」と、Kasurinen氏は続けます。「ただし、計画は変更されることがあるのです。」

『Control』は解釈次第
初代『Control』は、物理的にはオールデスト・ハウスの境界内に収まっていたものの、その物語はそれをはるかに超えた広がりを持っていました。それは悪夢、異次元移動、神のような存在、そして生きているエネルギーとして出現するる知性のある共鳴などを通して展開していったのです。それを複雑であると表現するのは的確ですが、システム、ドキュメント、そして移り変わる現実を通して、物語がいかに意図的に断片化され、幾重にも構成されているかは、複雑という言葉だけでは、十分に伝えきれないでしょう。その多くは未解決のまま、あるいは部分的にしか説明されておらず、プレイヤーは直接的な意味を与えられるのではなく、断片から意味を組み立てるよう促されます。
Remedyにとって、物語は常により現実的なもの、すなわち『リスク』へと回帰します。
「物語には、登場人物が下す決断の重みやそこから生じる結果を理解できるような緊迫性のある内容が必要です」とKasurinen氏。「時には物事が難解になり、すべてを説明することはできませんが、何も言わないことの方が、何かを言うよりもパワフルな場合もあるのです」
Kasurinen氏は、『Control』の多くの要素は、意図的に不明瞭に見えるものの、その根底にはより明確な感情的、物語的な基盤があることが多いと指摘します。曖昧さは意図的に作られたものであり、プレイヤーが意味を見出すことを可能にしつつ、同時に出来事を人間の決断と結果に結びつけることを可能にするのです。
「人々が独自の理論を立てて、夢中で騒ぎ立てているのを見るのは楽しいです」と氏は笑顔で述べます。「時には、正しい方向へ進むこともあるんですよね」
氏をはじめとするRemedyのチームは、『Control』やその関連プロジェクトに関するコミュニティでの議論、特にその広大な世界観を解読しようとするファン理論なども頻繁に観察している、と氏は付け加えます。
「チーム全員が、Redditに夢中なんです」と氏。「時には、思わず「おお、これはいい」と言ってしまうことさえあります」
この解釈の自由度が、「Resonant」を制作過程に直接影響を与えています。異次元間の衝突や、ヒスのような超常的な存在といったお馴染みの要素は引き続き存在するものの、物語のトーンの焦点は変化し始めています。規模は大きくなるかもしれませんが、その大切な点はより個人的なものとなり、抽象的な枠組みに囚われることなく、実体験や人間の反応により深く根ざしたものになります。
こうした視点の変化は、ストーリーの方向性だけでなく、ゲーム自体が根本からどのように構築されているかにも反映されています。

「Resonant」の中心となる要素
『Control Resonant』の本格的な開発は、最初にディランのマンハッタンでの旅をKasurinen氏が構想してからかなりの時を経て始まったものですが、Remedyはすでに、続編がどうあるべきかについての明確なクリエイティブの柱を確立していました。それらの基本理念は、6年間の開発プロセス全体を通じて驚くほど一貫性を保ち続けており、物語の構成から一瞬一瞬のゲームプレイに至るまで、あらゆるものを形作っています。
これらのクリエイティブの柱には、『Control』で確立された生き生きとした世界観への回帰、RPGスタイルの成長システムを通じたキャラクターの育成、絶え間ない動きと攻撃性を促す戦闘デザイン、畏敬と恐怖の両方を呼び起こす設定の大規模な演出、そして人間であることの意味を理解しようとするディランの旅を中心とした体験などが挙げられます。これらが一体となって、「Resonant」のデザインのあらゆる層に影響を与える枠組みが形成されているのです。それは、遭遇するものや移動のシステムから、プレイヤーを取り巻く環境がどのように変化し、それに対してどのように反応するかに至るまで多岐にわたります。
畏敬の念と壮大な規模に焦点をあてることは、『Control』が2019年のリリース以来、複数のDLC、マルチプレイヤーのスピンオフ、そしてRemedyのもう1つの主要なシリーズである『Alan Wake』とのストーリーのクロスオーバーを通じていかに拡大してきたかを考えると、特に重要です。世界観が相互につながり、構造的な複雑性を増していくにつれて、これらの柱は、特に不気味なものと壮大なもののバランスにおいて、新たな要素が常に一貫した感情的なインパクトを確実に与え続けるのに役だってきました。
チームは、広大な世界観を整合させるのに役だつような厳格な物語上の制約に基づいて作業しているのかという質問に対し、Kasurinen氏は、「私たちが従うべきルールというものは設けていません」と答えています。「ただし、私たちが取り入れようとしている特定のキャラクター要素はあります」例えば、連邦操作局は、努力すれば何事も解決できるという姿勢を強調します。「この組織は、科学志向なのです」
Kasurinen氏によると、このアプローチはスタジオが組織やキャラクターをより広くに扱う方法にも及ぶものであり、各勢力は、その行動だけでなく、世界がどのように機能している信じているかという内部論理によって定義されています。連邦操作局の場合、その論理は厳格で、規則に深く根ざしており。たとえその規則を執行する人々がそれを部分的にしか理解していなかったとしても変わりません。
「時にはもちろん、一定の手順に従ってはいるものの、物事がうまくいったのは偶然だということもあります」氏は、その考え方を説明するためにホラー映画のワンシーンを例に挙げます。「悪魔を召喚すると決めるようなものです。地面に灰を撒き、5本のロウソクを置きます。6本ではありません。理由は?分かりません。そうしたルールに基づいた考え方があるのです」
未知の事態に直面してもなお、構造を順守するという姿勢は、操作局の超常現象に対する対応を一貫して特徴づけてきました。『Control』で描かれ、『FBC: Firebreak』でさらに掘り下げられているように、操作局は、自分達が研究対象としている力に後れを取ってしまうことが多く、遭遇する事態に対して必ずしも十分であるとは言えないプロトコルや封じ込め手順に頼らざるを得ない状況に陥ります。
それは、新たな災厄がニューヨークを広範囲にわたって不安定な状態に陥れる「Resonant」にも引き継がれています。連邦操作局は再び崩壊状況に陥っているものの、依然として本能的に手順に頼ったまま業務を続けています。エージェントたちは、超常現象の効果を弱めることで知られるマテリアルであるブラックロックを、影響を受けた構造物全体に散布するなどの確立された方法を用いて事態の収拾を図ろうとします。未曾有の事態に直面しながらも、操作局は常に規定の手順を貫き、利用可能なあらゆるプロトコルに従って事態の収拾を図ります。
『Control Resonant』を定義するものとして、「キャラクターについて言えば」と氏は続けます。「私たちは、市民の視点をプレイヤーにもたらすことにワクワクしていますこのゲームでは、連邦操作局の行動や超常的な存在に対し、一般の人々が、どう反応するのかを見ることになります」

人間に戻る
『Control Resonant』の本質は、現実の境界線がもはや意味をなさない世界において、人間であることの意味を問う物語です。ディラン・フェイデンの遍歴は、隔離、監禁、組織的な管理下で過ごした人生、そして長年の囚われの身から解放された後の異なる可能性によって形作られた、個人的なレベルの経験に根ざしています。「Resonant」はある意味、管理された存在が終わり、より不確かな形の自由が始まった時に何が起こるのかを描いた作品なのです。
その問いは、分断されたニューヨークの街へと広がり、一般市民は、理解はおろか信じることすらできないような力との接触を突然強いられます。Kasurinen氏が述べているように、この視点はこの作品の意図にとって不可欠です。
『Control Resonant』を定義するものとして、「キャラクターについて言えば」と氏は続けます。「市民の視点をプレイヤーにもたらすことにワクワクしていますこのゲームでは、連邦操作局の行動や超常的な存在に対し、一般の人々が、どう反応するのかを見ることになります」
ディランにとって、同じ世界の衝突は、アイデンティティをめぐる感情的な葛藤へと発展します。彼の遍歴は、オールドハウスからの脱出することだけではなく、かつて彼を定義していたシステムなしで生きる術を学び、そのシステムが失われたとき自分ががどうなるのかに直面することでもあります。Kasurinen氏が指摘したように、この重点の置き方は意図的なものです。

「『Control Resonant』を振り返ってみて、最初に私がストーリー作成のチームに伝えたのは、これまでで最も人間味があふれる物語にしたいということでした」と氏。
引き裂かれ、試練にさらされた人間性という概念は、超常現象による崩壊と隣り合わせに生きる市民たちの姿に反映されます。もはや常識が通用しない都市を舞台に、恐怖、適応、そして否定がリアルタイムで展開されていき、その体験がディランの物語と並行して描かれるのです。その一方で、連邦操作局は、事態を収拾する能力がますます失われつつあるにもかかわらず、プロトコルと手順によって秩序を保ち続けています。
制度的な統制と人間の反応というコントラストの中に、「Resonant」はその中心的な葛藤を見出しています。現実の崩壊は、異常事態の連続であり、人々が頼りにしていたシステムが機能不全に陥った時、どのように生き延び、自らを再定義するかが試されるのです。