
『The Lord of the Rings: Return to Moria』の開発秘話を掘り下げる

トールキンのすべての優れた物語がそうであるように、これはドワーフから始まりました。
2020年に、Free Range Gamesが中つ国の第四紀を舞台にした壮大なサバイバルクラフトゲームになるであろう『The Lord of the Rings: Return to Moria』に着手したばかりの頃、開発チームはJ・R・R・トールキンが生み出した豊かな架空の世界の全体像についてや、ゲームの舞台をどこのどの時代に設定するべきかということに頭を悩ませていました。
本作でプレイヤーは、ドワーフを操作して故郷モリアの奪還と再建を目指すことになります。Free Range Gamesが開発を手がける2023年春リリースの本作は、ギムリ(わが捲毛を持つ者)がドワーフの一団を霧ふり山脈に召喚し、カザド=ドゥームまたはドワローデルフとも呼ばれるモリアの失われた戦利品を取り戻すように命じるところから始まります。
「私たちが起点にしたのはドワーフです」と語るのは、ゲームディレクターのジョン=ポール・デュモン氏。「ドワーフが大好きなので、ドワーフに関する本格的な物語を伝えたいと考えたのです」
デュモン氏によると、チームはバリンの遠征、最盛期のカザド=ドゥーム、はたまたスマウグ死後のエレボールの復興など、描写できる可能性のあるあらゆる物語を模索し始めたといいます。
「どれもそれなりに興味深かったのですが、トールキン教授が現在の王ドゥリンとドワーフたちがようやく故郷に帰ってきたと記述している追補の一節に、私たちは幾度も立ち戻ったのです。これが、プレイヤーが扮するキャラクターにとって重要な、正真正銘のいちかばちかの物語のように感じられました」とデュモン氏は語ります。
この決断により、ゲームの舞台はデュモン氏が魅力的な時代と語る、小説の第四紀に設定されることになりました。
デュモン氏は続けます。「アラゴルンが王です。指輪所持者はヴァリノールを後にし、ギムリはアグラロンドに移住しました。ドワーフたちは、ミナス・ティリスの門をミスリルで再構築することを約束しました。それ以上のことは分からないので、創造する舞台としてはかなり手探りな状態です。つまり、誰も予想だにしない新しい物語を語ることができ、中つ国をより深く理解することができるということです」
題材が決まると、『The Lord of the Rings: Return to Moria』の舞台と物語がゲームの物語とゲームプレイのメカニズムを形作ったのだとデュモン氏は説明します。
「ゲームの主要な部分は、カザド=ドゥームの遺跡を探索することにあります。つまり、都市のエリア、洞窟、鉱山、暗い深淵、浸水した部屋などですね。自然光が差す場所もあれば、古代のクリスタルが光を照らす場所もありますし、真っ暗な場所もあります。モリアは危険で、謎めいていて、暗い場所です。そこはドワーフたちにとって大惨事のあった場所でもあります。終末世界を舞台にした他の素晴らしいゲームと同様に、さまざまな動植物が存在し、プレイヤーは狩猟や採集で食料を手に入れることができます。回避すべき捕食者や怪物も多く存在します」
「世界観の構築のために私たちは様々な疑問を投げかけます。サウロンの死後、どれほどのオークが生き延びたのか。冥王はいつか戻ってくると信じられているのだろうか、といった具合に」
これほど多くの人々に読まれ、愛されている架空の世界をゲームにするということは、チームの創作したものがトールキンの意図していたものと一致し、信憑性があることを証明することでもあります。デュモン氏は、ゲームがこのシリーズのファンによって制作されたと感じられるように、チームは多大な努力を払ったと話します。
「トールキンの作品を読み(チームで読書会を開くことさえしました)、自分たちでいろいろ調べるのはもちろんのこと、専門家に相談して私たちの理解が正しいかも確認しました」とデュモン氏。「『トールキンの教授』であるコーリー・オルセン氏、『指輪物語』の公式テーブルトークRPGの作者であるT.・S.・ルイカール氏、そしてドワーフ語の発明者であるデヴィッド・サロ氏に連絡して、彼らの専門知識を頼りました」
『The Lord of the Rings: Return to Moria』では、プレイヤーは土地を開拓し、壮大な建築物を建てながら拠点を築く一方で、地下に潜む言い知れぬ悪から生き延び、オークの群れと戦わねばなりません。そのためには、資源を節約し、狩猟や採集を行って食料を確保し、睡眠、温度、騒音のレベルを管理する必要があります。さらに本作では、ドワーフの伝説の鎧、道具、武器、建造物をクラフトしたり略奪したりすることができます。古代の鍛冶場を再建して、装備を強化し、修理して、魔法をかけましょう。新しいテクノロジーや幻想的な機械をアップグレードしたりアンロックしたりすることも可能です。それだけでも既に十分ですが、他にもオークが近づくと光る剣や発掘されるのを待つミスリルの鉱脈、力や知恵を授けるお守りの設計図など、『ロード・オブ・ザ・リング』のゲームならではの魔法の遺物が多数登場します。
ゲーム内部のメカニズムはまだほとんど明らかになっていませんが、デュモン氏がサバイバルクラフトシステムとメカニズムについて、少しだけ情報を提供してくださいました。
「チームの大半がサバイバルクラフトジャンルのファンなので、ゲーマーにとって馴染みのあるメカニズムの多くが導入されています。食べるためには狩猟や採集を行い、料理をしなければなりません。休むためには、毛布を作る必要があります。そしてこれらの要素が、健康の維持に関わってくるわけです」
デュモン氏は続けます。「クラフトでは、金属を加工する鍛冶場、鉱石を溶かしてインゴットにする溶鉱炉、作業台など、さまざまなものを使用します。これらの場所には希少なものもあり、ネタバレしないようにお話しすると、ゲーム内の重要なスポットになります。他のサバイバルクラフトゲームと異なる点としては、ドワーフは金属加工が得意な種族のため、ゲームの早い段階で金属を使用してクラフトができることです」
デュモン氏は、ゲームの協力プレイについても説明してくださいました。
「1人のプレイヤーが、友人や他のプレイヤーが参加できる独自のモリアをホストします。モリアは、シングルプレイヤーとマルチプレイヤーでの体験がかなり異なります。ドワーフの数が多ければ、より大胆に、騒がしく冒険ができます。そして、リアルタイムで建設や採掘を皆で行うことになります。つまり、どこに足場を置くか、誰がどの資源を収集するかなど連携を図る必要があります。パーティーの半分がオークから皆を守っている間、残りの半分が皆の食事を作るといった具合にです」

ゲーム内の様子も少し見せていただきましたが、私たちは、チームがどのようにゲームの外観とアートスタイルを考えたのかにも興味がありました。『The Lord of the Rings: Return to Moria』のアートディレクターであるブラッドリー・フルトン氏は、このゲームのコンセプト全体と同じく、世界観もドワーフを起点にしていると話します。
「このゲームの中心となるキャラクター、ドワーフは、その身体のサイズからは推し量ることのできないほど個性的なことで有名なのは最初から分かっていました。彼らと同様に、モリアに巣食うオークやゴブリン、トロールも、個性溢れる奇妙な悪党に仕上げたいと思いました。こうして、開放的な表現スタイルに慣れている、素晴らしいコンセプトアーティストの小さなチームを結成することになりました。その結果、誰もが一目で共感できる、魅力的な2Dコンセプト一式が出来上がったのです」

ゲームの外観を作成するうえで、架空のキャラクターや生物を配置するのに素晴らしい場所である中つ国を、地に足の着いた現実的な設定で再現する必要があるとチームは理解していた、とフルトン氏は付け加えます。
「これは、地球上の日常生活のありふれた現実が支配している世界でもあるのです。私たちがプレイヤーに望むのは、現実世界の知識を活用して、サバイバルの問題を解決することです。この理由から、山脈の地下にあるモリアが実在すると感じられることがとても重要になります。準備のできていないドワーフにとって、そこは危険な場所です。現実味が増せば増すほど、危険性に説得力が生まれるのです」
「私たちは、表現豊かなキャラクターデザインを現実味のある素材やライティング、アニメーションと組み合わせることで、生き生きしたキャラクターが住むリアルに感じられる世界を作り出しました」
『The Lord of the Rings: Return to Moria』をEpic Games Storeで今すぐウィッシュリストに追加しましょう。ドゥリンの日のライブ配信を見逃した方は、「トールキンの教授」であるコーリー・オルセン教授と開発チームスタッフをゲストに迎えた、ゲームの詳細な紹介動画をNerd of the RingsのYouTubeチャンネルでぜひチェックしてください。