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ゲームへの愛情に秘められた苦労について語る:フードファイター『RAWMEN』制作チームの独占インタビュー

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Owen S. Good
2024年2月29日

ダスティン・マトック氏にはよくわかっています。 自身の独立スタジオのデビュー作である『RAWMEN』に関して周囲から「報酬に関係なく好きでやった仕事」だと言われるとき、それが自らの努力に対する賛辞であることを理解しており、そう受け止めています。 そして彼の友人たちは、彼とスタジオのもう1人の設立パートナーであるエリック・ケシシアン氏が、肌を露出したスープ投げの達人たちが夕食の前菜で互いに攻撃し合うという、この斬新なビジョンを持つアリーナシューターのために人生の5年以上と財産の多くを注ぎ込んできたことを知っています。
 
2019年に発表され、PC版がEpic Games Store限定として近日登場する『RAWMEN』は、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするスタジオ、ANIMALの処女作です。当初ANIMALは、クリエイティブなサービスを提供する代理店としてスタートし、Googleをはじめとする巨大なメディアやハイテク企業の顧客にサービスを提供していましたが、ゲーム開発への意欲を公言していたわけではありませんでした。

とはいえ、友人や家族、その他の大切な人たちに、このクリエイティブなビジョンが本当に価値あるものである理由を十分に説明することができないまま、実際に開発の現場で苦しんできた人でない限り、この「報酬に関係なく好きでやった仕事」という言葉を本当の意味で理解することはできません。

『RAWMEN』のように一見途方もないものであっても、「ゲームの制作は大変なもの」だとマトック氏は説明します。 「これは、私がこれまで手がけた中で最も難しい仕事ですね」

「今までの人生で取り組んだ、どんな仕事、タスク、プロジェクトよりも、精神的に困難だったのは間違いありません」とケシシアン氏が付け加えます。
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神様の意思であり、おまけにスープが煮詰まらなければ、『RAWMEN』は春の終わりか夏までに完成する見込みです。 マトック氏とケシシアン氏、そしてANIMALの8~10名の従業員たちは、ゲームに関する発表を控えめにしようとしているわけでは全くありません。 ゲーマーに奇抜でカラフルな楽しい選択肢が際限なく提供される、極めて競争の激しい分野で一線を画す存在になるには、単に視覚的に際立っているだけでなく、非常に洗練され、バランスが整っている必要があることをよく理解しているのです。 今回、両アーティストに話を伺う中で、『RAWMEN』をようやく世に送り出し、その約束を果たすことができたと語る姿は、まさに目的を達成したために、次にやるべきことが見つからない状態であることを感じさせます。

『RAWMEN』の信念はハチャメチャな楽しさであり、容赦のなさは存在しない


2019年のE3で初披露された『RAWMEN』は、ANIMALが設立された数年後に思いがけず誕生しました。 マトック氏とケシシアン氏は、ロサンゼルス地域のクリエイティブサービス代理店で、マクドナルドのハッピーセットからディズニーのパーク&リゾートに至る幅広いプロジェクトや、いくつかのHBOシリーズに携わっていた頃に出会い、友人になった後、2015年にスタジオを設立しました。

「お互いのキャリア人生を通じて一緒に仕事をする機会が多く、いくつかの異なる代理店に転職後は、[マトック氏が]私をプロジェクトに参加させてくれたりしたんです」とケシシアン氏。 2人はグラフィックデザインを学んでおり、共にパサディナのArtCenter College of Designの出身です。
 
ANIMALは、ケシシアン氏とマトック氏が2000年代初頭にデザイン学校を卒業後、代理店でのキャリアを通じて担当してきたような顧客を対象に、パートナーシップとしてスタートしました。 しかし、2人はすぐに、Google、Disneyといった代理店時代に担当していた大手企業や、Ubisoft、Logitech、Zyngaといったゲーム業界の主要企業が、仕事を外部に委託するのではなく、社内で行うようになってきていることに気づきました。
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「あまり好きでないものや、情熱が持てないものをようやく断ることができるようになったんです」とマトック氏はANIMALの設立当初について述べています。 「しばらくの間はとても順調でしたが、先ほど話したように、プロジェクトが[かつての顧客によって]社内で進められるようになると、私たちのような代理店には依頼が来なくなったことに気づき始めた頃から、急速に変化していきました。 彼らは社内で独自のチームを立ち上げていただけの話なんですけどね」 また、友人だと思っていた人たちに仕事をくれるように頼んだり、請求書を出したりすることで、仕事上の人間関係がこじれ始めていることを実感し、両デザイナーにとって率直に言って居心地が悪いものでした。

必ずしも失敗したら後がない状況というわけではなかったものの、マトック氏もケシシアン氏も、過去の人脈や同僚からの仕事を当てにするのではなく、自分たちが他者に売り込めるようなプロジェクトを立ち上げたいと考えていました。 

「顧客の多くは友人であり、無理強いするのは申し訳ないと思っていたんです」と、マトック氏の答えは単純明快です。 「Googleとは本当に良い関係を築けましたし、素晴らしい顧客でしたが、『すみませんけど、今後の仕事で私たちに手伝えることは何かないですか?』みたいな感じになっていたんです。 しばらくすると違和感に気づきました」

「それなら、『もう無理をしなくていいものを作ろう』と考えたほうが面白いと感じました」そして、それが『RAWMEN』につながったのです。

昼休みの奇妙な思いつきに全力投球


マトック氏とケシシアン氏によると、2人は、20年以上前に日本で創業し、2011年にロサンゼルスにアメリカ1号店をオープンした有名ラーメン屋の「Tsujita Annex」店で食事をしていました。 当初の『RAWMEN』は全く異なり、『Tapper』(1980年代に登場した、このアーケードの名作を覚えていますか?) のスープ版風で、プレイヤーは自分の店がより繁盛するよう、できるだけ早く注文をこなすという独創的な内容でした。

コンセプトとしては長続きせずに終わりましたが、あまりにもふざけたアイデアであり、当時のANIMALがクリエイティブな面でどんな状況にあったかを何となく物語るものであったため、ケシシアン氏は今でもこのアイデアについて話すことを楽しんでいます。 彼らは相変わらず顧客向けの代理店業務を継続し、まだ自分たちのビデオゲームを作るという決心には至らずに、いろいろなアイデアを巡らせていました。

「シングルプレイヤーのトップダウン、つまりアイソメトリック[ゲーム]だったんですが、コンセプトは、プレイヤーが三味線奏者[バンジョーやギタースタイルの日本の伝統的な弦楽器]で、速く演奏すればするほど、周りの人の食べる速度が速くなるという、ちょっとばかばかしいものでした」とケシシアン氏。 「そしてレストランからお客を追い出し、さらにたくさんのお客を呼び込みます。 […]正直言って、本当に馬鹿げたコンセプトでした。 でも『面白いからやってみようか』といった感じでしたね」
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最初の『RAWMEN』はコンセプトとして採用されなかったものの、スープを投げるというアイデアが視覚的にとても面白いと感じたため、ある種のミューズとして、ケシシアン氏とマトック氏はこのコンセプトに繰り返し引き戻されました。 「スープを投げることだけに集中しようと考えました」とケシシアン氏は振り返ります。 「お客に料理を出すというアイデアは全部無しにしようって。 すると、みんなも『なるほどね。 やってみたい』となったんです」

これはまた、当初から『RAWMEN』に一貫して存在するゲームプレイの価値にも通じています。 つまり、本作は、マトック氏(38歳)とケシシアン氏(41歳)が子供の頃プレイしていた『Unreal』のような、トーナメント形式のアリーナシューターなのです。 しかし2人は、たとえ失敗したり、待ち伏せされたり、シューターの基本が身についている人に何度やられたりしても、とにかくプレイヤーに楽しんでほしいと考えています。 勝っても負けても、結局はフードファイトであり、その混乱も楽しみのひとつなのです。

全員に勝利のチャンスを与える基礎知識


『RAWMEN』の基本的な武器はもちろん巨大なスープ鍋で、プレイヤーはそこにお玉を浸して、お互いに麺やスープをぶちまけ合います。 オナラの音を響かせながら、カスタマイズ可能なキャラクターは、ワリオ風のシム語をベースにしたさまざまな声で、驚きや敗北、勝利を表現します。 

重要なのは、プレイヤーは床にこぼれたスープの上を滑りながら移動することで、銃撃戦にすばやく参戦(または脱出)できるという点です。 鍋そのものは盾にもなります(ゲームパッドを使用している場合は、右バンパーを押すと発動します)。 ケシシアン氏とマトック氏は、ゲーム開発当初からコントローラーサポートを強く意識していたため、マウスとキーボードの基本的な操作が苦手な人でも親しみやすいゲームに仕上がっています。 『RAWMEN』のスープの救世主たちは、クラッカーのようなバリアを築いて身を守るだけでなく、ただ攻撃を受けるだけの状況では、いつでも鍋を頭からかぶって猛攻撃をかわすことができます。 
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これによりキャラクターにシールドバーが追加され、鍋が壊れるまでダメージを防ぐことができます。 マップのはるか遠くから撃たれたり、「誰が誰を先に見つけたか」という勝負にすぐに負けてしまうことに不満を抱いている人たちにとっては、良い対抗手段です。

大人気のマルチプレイヤータイトルのゲームプレイや視覚的な魅力を心から楽しんでいる場合でも、「『トーナメントゲームや競争が激しいゲームをプレイすると、ウ○コみたいなたいな気分になるのはもうイヤだ』と感じる瞬間があったんです」とマトック氏。 「エリックと一緒に『DOTA 2』をプレイして、『オーバーウォッチ』もプレイした時、マーシーの操作方法を知らなくてひどく罵られましたよ」とマトック氏は語ります。 「私たちは『こんな風にならないゲームを作るべきだよね。 私たちなら、そういう環境が一切ないゲームを作れるね』と感じました」
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「下手なプレイをしたからといって、それを罰するようなことはしたくないんです」とケシシアン氏が付け加えます。 「それが基本です。 みんなに楽しんでもらいたいし、チームメイトにも彼らの経験を台無しにするような思いはさせたくありませんでした。 これは、メカニズムに何を落とし込み、武器やプレイヤーの経験にどんなものを盛り込んでいくかについての、全体的なモットーのようなものでした」

もちろん、プレイヤーが装備や携帯することのない、マップのあちこちで入手できる特殊武器もあります。 たとえばパイは、近接戦闘用の武器として機能します(もちろん顔面への攻撃です)。 アイシングされたドーナツは手りゅう弾のように投げることができ、爆発はしませんが、敵を気絶させたり、妨害したりするような効果範囲の広いダメージを与えることができます。 小籠包は、ねばねばした手りゅう弾のような投擲武器です。 フォークの先についたマッツォボールは、こん棒の形をした近接武器で、ホーミングミサイル攻撃もできます。 ブラットリング・ガンは、回転音を立てながら大量のソーセージを発射する肉挽き器。 そして、サバサバしたサバは、死んだ魚で誰かの頭をひっぱたくのが狙いです。
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最も危険で厄介なのはトマトです。プレイヤーはトマトに飛び乗り、爆発的で強圧的な攻撃で敵の上を転がります。 その後、右のトリガーか発射ボタンを押すと、遠く離れた敵に向かってサプライズ攻撃を放ち、青と黄色のダメージ数字が表示されます。 『RAWMEN』では距離が近ければ近いほどダメージが効果的なため、当然ながら戦い全体がスープまみれになり、必死さが増します。 何もない場合でも、少なくとも相手をノックアウトするチャンスを得るために、立ち上がってお玉の強烈な一撃をお見舞いすることができます。

「『よし、キャラクターをこんな風に作るぞ。 最高で最強の武器はこれだ。ずっとこれを使おう』とプレイヤーが考えるようにはしたくなかったんです」とマトック氏が説明します。 「『マリオカート』の経験からヒントを得ました。『マリオカート』にはちょっとしたランダム性があり、特定の何かを選ぶことはできません。 まさに運なのです」

「私たちは、設定したり事前に決めたりできるものではなく、もっとたくさんのランダム性を生み出したいと考えています」とマトック氏は付け加えます。 「できることはまだありますが、みんなが似たような装備を持つ他のゲームのように、過度に複雑ではありません」

新たな武器は面白さを加えるが、複雑さも伴う


特殊武器が登場するもうひとつの理由は、単純にゲーム体験がより楽しくなるからです。 ゲームの初期ビルドはE3のライブ配信で公開され、注目のインディープロジェクトとしてメインストリームから高く評価されたとはいえ、キャラクターの戦いにおける動作はまだ非常に基本的なものでした。 「初期のパブリッシャーたちとの最初の話し合いでは、彼らはゲームの大部分を気に入り、楽しみ、素晴らしいゲームだと感じてくれたんですが、スープだけでは少し単純すぎると思ったみたいです」とケシシアン氏は語ります。 「プレイヤーの心を掴むほど手が込んでいるとは思わなかったんです」

「そんなこともあって、その後クレイジーで奇妙でランダムな、ありとあらゆるアイテムや武器をブレインストーミングし、何が理にかなっているか、何を投入できるかを検討し始めたんです」とケシシアン氏。 「その時から、楽しいことをやろう、でもただのデスマッチファンにはならないようにしよう、と考えるようになりましたね。 サポート的な役割を果たすことを好むプレイヤーも満足させたいんです」

2022年9月にベータ版が公開されたゲームは、最新ビルドがバージョン0.94まであります。 ゲームには3種類のモードが用意されています。基本的にチームデスマッチである「Broth Battle」、巨大な海鮮鍋がゾーンに登場する陣取りゲームのような「クレイムチャウダー」、そしてプレイヤーが肉団子を奪い合いながら、それに乗ってゴールを目指す、旗取りゲームに似た「ミートボール」です。 嫌味っぽいビル・バー風のアナウンサーが、軽口や余談を交えながら軽快なムードを演出します。 あるマッチでは、彼がASMRのテクニックを練習しているのを耳にしました。
 



初期ビルドには含まれていたものの、バランス調整に時間がかかりすぎたため、残念なことにお蔵入りになってしまったモードが、いわゆる王者決定戦の「Top RAWMEN」です。 「もしかすると、まだ登場するかもしれません」とマトック氏。 「ただ、もっと磨きをかける必要があると思っています」

「このゲームモードをプレイするのはとても楽しかったですよ」とケシシアン氏は話します。 「ただ、よりカジュアルなゲーマーであるプレイヤーに[焦点を当てると]、私たち古い世代のゲーマーが知っているような、習慣化されたメカニズムを教えるのが難しいんです。 [Top RAWMENは]要するにロケットジャンプやボムジャンプを繰り出すプラットフォーム・ゲームモードですが、最近のゲーマーの多くはそういったことをよく把握していません。 浸透していないんです。 そのため、彼らに何かを教えるという最初の試みに失敗し、完成していないと感じるゲームモードを押し進めるよりも、自分たちの強みを貫くべきだと考えました」

危機的状況に追い込んだおバカなアイデア


この5年間で、『RAWMEN』はあらゆる面で進化し、変化を遂げてきました。意外なことに、その名前だけは例外です。 このゲームでは、肌を露出した「raw men(生身の男性)」(公平を期すために女性も含まれます)のグループによって、馬鹿げたフードファイトの戦いが繰り広げられ、ケシシアン氏とマトック氏はこのraw menとラーメンのダジャレを構想の初期段階から気に入っていたため、そのまま残ることになりました (プレイヤーに装備を組み合わせる選択肢がなく、一般的なシューターゲームのプレイスタイルに頼る必要がありますが、キャラクターのカスタマイズは『RAWMEN』の大きな割合を占めています)。

2021年に彼らのスタジオを買収したパブリッシャーのtinyBuildがANIMALを信頼し、『RAWMEN』の完成時期についてとやかく言わなかったものの、2人のクリエイターは長年にわたり、「なぜまだ完成していないんだ」「いったい何に取り組んでいるんだ」という同調圧力のようなものを家族や友人から感じていたことを認めています。
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「ゲームというのは、その制作過程を誰かに説明するのがとても難しいんです」とマトック氏。 「それに… みんな『ゲームを作るのは楽しいことに違いない』と考えるだろうけど、実際どれだけ過酷なものかを知らないじゃないかという思いもあります。 銀行口座の残高がどんどん減っていき、友人関係もぎくしゃくしていくような時期を乗り越えるのは大変なことでした。でもみんな『大したことじゃない』と思っているんです」

ケシシアン氏も続けます。「一方で、私たちは今現在、1日14時間から16時間も働いているんですよ。 自分の苦労を他人が理解してくれず、『楽しくゲームに取り組んでいるんだね』なんて言われると、ちょっとがっかりしますね。 外部からの視点と内部での葛藤は、こんなにも違うんです」
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『RAWMEN』の開発にこれほど時間がかかった理由のひとつは、単にANIMALが小規模なスタジオだからです。 ANIMALでゲームの開発に携わったチームメンバーは、多い時で20名程度、『RAWMEN』の開発期間全体で平均すると10名ほどです。 とはいえ、グラフィックデザイナーとして、当然ケシシアン氏とマトック氏が全力を尽くすつもりだったその視覚的な魅力は、通常パブリッシャーが設定された四半期までに出荷するという期限を守るために、より多くの人材を開発に投入して実現するほどのAAAゲーム級です。

「苦労はありましたが、良い苦労だったと思うのは、ゲームの見た目です」とマトック氏は述べています。 「AAAのモデリングや、そういった経験を持つ[ANIMALが雇用した]キャラクターモデラーには本当に恵まれました。 そのため、ゲーム自体がすでにとても洗練されたものに仕上がっていると感じられ、皆これがインディーゲームであることを忘れてしまうのではないかと思います。 まるで有名なスタジオのように思われるかもしれませんが、南米に住むルーカスという1人の男性が、今まさに一生懸命武器を作っている、といった感じなんです。 『コール オブ デューティ』みたいな作品とは違いますから」
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最終的に、「家族や友人たちは、私たちが苦労していることを間違いなく知っていましたし、それが私たちを苦しめている様子を目の当たりにしていたんです」と、ケシシアン氏は率直に述べています。 約2年半の間、2人の開発者は他の顧客を顧みず、『RAWMEN』に全力を注ぎ、日の出から日没までゲーム制作に明け暮れながら、成果がほとんど得られていないと感じていました。 経済的にも両者に負担がかかり始め、友情のリセットボタンを押す必要さえ出てきました。というのも、ケシシアン氏が言うように、それまで互いに助け合ってきた2人の働き方は大きく異なっていたからです。

「我慢の限界に達したというわけではないんです。ダスティンは親友で、とても仲の良い友人ですからね」とケシシアン氏。 「でも、ある時、『くそっ。 お互いに対してイライラしているし、精神的にも限界だ。 二度とこんな状況にはなりたくないと思うほど、本当に悪影響を及ぼしているぞ』というところまできていました」

インディーパブリッシャーのtinyBuildによる命綱の投下

『RAWMEN』の初期開発に費やされた長い時間とともに、社外での日常生活もまた続いており、ANIMALの創立者たちはそれぞれ犠牲を強いられていました。 マトック氏の父親は病に倒れました。 彼は1年以上にわたる入院生活の後、7月に亡くなりました。

瞬時にすべてを投げ出してでも集中しなければならない、極めて個人的で優先順位の高い2つの問題に直面したことについて、マトック氏はこう語ります。「働くことと自分が必要とされるときに病院に行くこと、あるいは父に会いに行くことのバランスをとるのは、信じられないほど大変な葛藤でした」 

マトック氏は、(家賃を払ってはいても)自分が成人してからも両親と同居している無一文のアーティストというステレオタイプの典型であることを、きまり悪そうにほぼ認めています。 それも、生活を維持するために、雇われの仕事に戻る必要があるのではという率直な助言もあり、父親が亡くなる前の一時期は、その状態を中断することを迫られました。

「ある時点で銀行口座にあったのは、700ドルくらいですかね」とマトック氏は、笑みひとつ浮かべずに述べています。 「税金の還付に救われ続けました。 今振り返ってみると… それだけのお金でやりくりする能力があったなんて信じられないですね。 おかげで、以前よりも1ドルの価値を実感できるようになりました。 自分の状況を知っている人に『ねぇ、コーヒーを飲みに行こうよ。奢るから』と言われても、『あのさ、そこに行くにもお金がかかるんだよ』という感じなんです」
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2017年にリリースされた『Hello Neighbor』をはじめとするインディーゲームのパブリッシャーであるtinyBuildは、2021年にANIMALを買収した際、ある種の命綱を投じました。 しかしそれは、厳密には即金での買収ではありませんでした。 とは言っても、うまくいけば、マトック氏もケシシアン氏もそれなりの報酬を得ることになります。 tinyBuildの最高経営責任者であるアレックス・ニチポルシック氏は当時の声明で、同パブリッシャーが2020年11月から2022年8月の間に傘下に収めたその他の9つのスタジオとともに、この件について「人材の獲得を目的とする買収」だと述べています

それでも、tinyBuildによるスタジオへの投資と、彼らのアイデアに対する暗黙の信頼は、2人が感じていたプレッシャーの多くを解消しました。 「tinyBuildは素晴らしいパートナーです」とマトック氏。 「制作に関して、大部分は好きなようにやらせてくれます。 必要なところは助けてくれますが、押し付けるようなことはありません。 『まあ、ゲームはもう十分に奇妙だね』といった態度です。 『レースカーモードを追加すべきじゃないか』みたいなことは言われません」
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とはいえ、両開発者は、マルチプレイヤーに事欠かない市場において、いかに自分たちのビジョンが異端であろうとも、純粋なマルチプレイヤーゲームとして一線を画す存在になることがいかに難しいかを理解しています。 

「気づかざるを得ないんです」とマトック氏。 「いつだって心配です。 でも、私たちの個性が伝わることを期待しています。 『RAWMEN』はこれまでとは違うタイプのゲームで、自分でもうまく言い表せない個性があることは明らかです。 でも、これは単なるゲームなんです。 決して悪いことではありませんが、多くのゲームは、自らを深刻にとらえすぎているように感じます。 私自身にも言えることですが、最近は誰もがゲームに対して貪欲になりすぎている気がします。 私にとっては、そのことがいつも気がかりなんです」

『RAWMEN』のリリース日はまだ未定ですが、ANIMALの共同創立者たちとの会話から、完成度を高めるために時間を無駄にしたり、デザインの完璧さにこだわりすぎたりするようなことはないという印象を受けました。 
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マトック氏とケシシアン氏はリリースの発表が大きな責任を伴うものであることを十分理解しています。そして、これまでの道のりを考慮して、発表を急ぐあまりにデビュー作の開発の歩みを終了し、未完成の部分に対処する間に延期になるという悔しい思いをしたくないのです。 さらに、『RAWMEN』はマルチプレイヤー専用のゲームであるものの、ケシシアン氏とマトック氏は、一種の伝承で物事を結びつけることでゲームを構築しています。 結局のところ、こうした奇妙なゲームを作る楽しみの半分はそこにあるのです。

「このプロジェクト全体がとてもランダムで、ゲームは本当にとてもランダムです。 でも、まだ詳しく説明されていない、終盤に深く関わる伝承やストーリーもあります」とマトック氏は説明します。 「ゲームに役立っていると思う反面、多少の足かせにもなりました。何か問題が発生すると『じゃあここはこうしてしまおう』となりがちだからです。 でも、クリエイティブな観点から見て、ストーリーとして意味があるのだろうか? 伝承と矛盾していないだろうか?と考えますね」

『RAWMEN』が最終的にリリースされる際、本作はPCゲーマー向けにEpic Games Storeで限定配信され、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X向けのバージョンも登場する予定です。
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