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『Hauntii』は永遠を脱出しようとする幽霊をテーマとする手描きのツインスティックシューター

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Rachel Watts
2024年5月13日
これまでゲームの中では、地獄の燃え盛る最深部から天国の白い明かり、そしてその間に位置するような場所やより抽象的な場所まで、数々の死後の世界が描かれてきました。 Moonloop Gamesの近日発売予定のタイトル『Hauntii』は、死後の世界について再び新たな独創的な解釈を提示し、多様な冥界の住人がひしめく活気に満ちたカラフルな世界をめぐる広大な旅を描きます。

可愛らしい幽霊が死後の世界を彷徨うゲームはメランコリーな雰囲気を醸し出すのだろうと思う方もいるかもしれませんが、Moonloop Gamesの創設者であるレオ・ダッソ氏は永遠と迷子の魂に関連するゲームでも、必ずしも悲しいものである必要はない、それどころか死を題材する必要性などないと強く信じています。

『Hauntii』の物語の題材は暗い、もしくは少なくとも多くの人に暗いとみなされると思います」ダッソ氏は話します。 「プレイヤーは死んでしまっており、幽霊です。愛していたもの、大事にしていたものすべてを失ったのです。 でも最初から、ゲームに暗い感じや憂鬱な感じを持たせないことがゲームデザインの目標でした。 楽しくしたかったのです。 『Hauntii』は死についてのゲームではありません。というのも、死を理解できる人は誰もいないのです。 既に死んだ人は、そのことを話せる状況にありませんし、もちろんゲームを買うことはありませんしね」
『Hauntii』では、生者の世界から死後の世界へと運ばれてきた、亡くなったばかりの幽霊としてプレイします。 ゲームはプレイヤーの可愛らしい幽霊が高みへと昇ろうとするところから始まりますが、離陸中に予想外の展開が起こり、突然地面から巨大な鎖が噴出し、幽霊は引きずり下ろされてしまいます。 簡単に諦める性分でない幽霊は、過去の人生に誰であったか、そしてどのようにすれば昇れるかを学ぼうとして、死後のさまざまな世界を旅することにします。

『Hauntii』は、ダッソ氏のノートから直接作り上げられた世界を旅する壮大な冒険です。 ダッソ氏はこう話します。「私は大学でイラストレーションを勉強し、プログラミングには常に興味を持っていました。 私はフラッシュゲームを作っているNewgroundsのシーンが非常に好きだったんです。 『Hauntii』については、2019年に会議中にちょっとしたスケッチを描き始めました。 小さな幽霊とかちょっとしたシーンですね。 このゲームにどのようなスタイルが最適なのかを模索していたので、さまざまなスタイルのスケッチや絵を描きました」

ダッソ氏のスケッチや走り書きからゲームのビジュアルスタイルが直接作り上げられたのは、これが初めてではありません。 2013年にリリースされた『Ballpoint Universe』は文字通り、ダッソ氏の絵から完全に命が吹き込まれました。 ボールペンで描かれた複雑な絵や走り書きの美しい世界で、まるでゲームがページから画面に飛び出してきたようです。
Hauntii 1
ダッソ氏は説明します。「そのつもりはなかったのですが、どちらのゲームでもしたいことだったというだけの話です。 2012年当時、私はどのゲームもリアルなライティングや物理などで超写実主義を目指していると感じていました。 それを追求することで何かが失われているように感じたので、完全に反対を行ってみたかったのです。 何百名もの極めて才能のあるアーティストがゲーム開発に携わりますが、グラフィックはコンセプトアートから多くの人が気付かないほど要約されてしまっています。 そのため、『Ballpoint Universe』では、アートワークからできる限り要約しないことが重要でした。つまり、文字通りアートワークをゲームにスキャンして取り込むことを意味していました」

2013年当時、『Ballpoint Universe』の美しいビジュアルは他と一線を画し目立ちました。そして今2024年に『Hauntii』も同様です。 しかし、開発の過程において、『Hauntii』で手描きビジュアルを導入するという選択は、ダッソ氏のツインスティックシューターを作りたいという当初の意図のに現れたものでした。 最初は、『Hauntii』のビジュアルスタイルとテーマをツインスティックシューターの目まぐるしく混沌とした性質に組み合わせるなど、端的に言うと完全に正気の沙汰じゃないように思えます。しかし、この選択はダッソ氏の「単なるメランコリーは避けたい」という意図に遡ります。

ダッソ氏は話します。「ツインスティックシューターのゲームプレイは、お茶目で愉快な仕組みですよね。 幽霊が小さな緑色の塊を撃っていればそれほど真面目に感じられません。これが、私たちの目指すところです。あまり真面目に感じられないことですね。 ゲームなんですから、面白くて、楽しめるべきですからね」

敵に向けてオーブを撃つことが、『Hauntii』の幽霊が使える2つのスキルのうちの1つです。 2つ目のスキルは、「憑依」能力で対象を乗っ取り、その対象の特殊能力を使用できます。 憑依はパズルを解くために時々使用することになります。例えば、石柱を乗っ取り、それを移動させて次のエリアへのポータルを開くといったようにです。 しかし、たくさんの敵に囲まれた時に、近くのクリスタルを乗っ取り、高速の連射弾を放つこともでき、『Hauntii』のツートーンのビジュアルは色とサウンドで明るくなります。
Hauntii 3
『Hauntii』のアクション性には時に驚かされるほどですが、憑依とオーブの能力も無限ではありません。 エネルギーバーを満タンにするには小さな三角形の欠片を集めなければならず、環境内で見つけたり、倒した敵から拾ったりして満タンの状態を保つ必要があります。 回避もあるので、画面いっぱいの弾を容易にすり抜けられます。

プレイヤーはこのスリリングな弾幕シューティング戦闘とより静かで瞑想的な状況をシームレスに移動します。 『Hauntii』のオープニングの舞台は、緩やかな丘と渦を巻くおかしな植物がある奇妙な草原です。 道なりに行くと、影が近づいてきます。明かりから逸れると、音楽とビジュアルが歪み始め、暗闇から光る眼が出現します。 緊張が高まり、巨大な暗い物体が大きな爪でプレイヤーをつかみ、口を開けて食べようとします。

しかし、そこで天使のような存在がプレイヤーを助けにきます。 この天界のキャラクター(ダッソ氏によると名前はCrispだそうです)は、すぐにプレイヤーである幽霊と仲良くなります。 最初は、光る白いオーラをまとう普通の幽霊のように見えますが、Crispにはより恐ろしいもう一つの面があります。聖書に描かれるままの巨大な翼とあり得ない数の目玉を持つ天使です。

「Crispは新しい幽霊を怯えさせないように幽霊の姿を使いますが、本当は非常に強力な存在なのです。 そのため、彼女のデザインをするにあたって、『それをどうやって伝えればいいだろう?』と考えました。そこで聖書はそのような存在を説明するのに素晴らしい方法を取っていることが分かりました」とダッソ氏は話します。

Crispが全能の天使の姿を見せると、まばゆいばかりのアニメーションが、後光を放つ少女、奇妙な羽毛の存在、回転するいくつかの輪に囲まれた巨大な中央の眼球など、さまざまな存在に変身し、幽霊のような姿に戻る様子を描きます。 Crispは紛れもなく素晴らしい光景で、『Hauntii』のアニメーター兼絵コンテアーティストのルーシー・ジュリック氏が手掛けたアニメーションは、Crispの恐ろしいオーラを見事に捉えています。
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「天使形態のCrispのコンセプトアートはあり、良かったのですが、シンプルでした」ダッソ氏は語ります。「アニメーターのルーシーはそのコンセプトアートから広げていきました。それが翼が6つとその他いろいろな要素が盛り込まれた今の形態です。 ルーシーはゲーム内の大半のアニメーションに関わっています。 私もいくつかのキャラクターのアニメーションをしましたが、カットシーンで見るのはすべてルーシーによるものです」

この素晴らしいアニメーションワークは『Hauntii』のいたるところで見られます。 手描きのアートスタイル、詳細なラインアート、美しいツートーンパレット、シームレスなアニメーションの組み合わせにより、魅力的でワクワクしながら探索できるダイナミックな世界ができあがります。 プレイヤーの幽霊が訪れる新たな世界には、落ち着いた森林や森の妖精から、迷子の魂が高みに昇るために集まる、不気味で巨大な塔が散見される広大な都市まで、それぞれ独自の雰囲気を持っています。

「森林自体に数多くのバリエーションがあります。 その場所のあちこちに巨大な鐘がある、Belgroveと呼ばれる一部が森にあるのですが、この鐘を撃って音を鳴らすことができます」とダッソ氏は説明します。 「もうひとつ、私が結構気に入っているのがWick Landと呼ばれる場所で、それは巨大なカーニバルです。 都市全体がカーニバルのテントでできていて、そのすべてにスケルトンのジェットコースターが通っています。 ジェットコースターに乗れることはもちろん、レール部分に憑依してジェットコースターの形を変えることもできます。そうするとジェットコースターの車両がレール部分を移動する様子が変わります」

さらにいろいろ探してみると、『Hauntii』の幽霊がかつてはどういう人で、どのような過去を持っていたかを明らかにする記憶の欠片を見つけることができます。 プレイヤーが見つけることのできる数々の秘密やサプライズを盛り込むことで、『Hauntii』の世界はできる限り活発に作られています。 プレイヤーの幽霊は冥界に囚われているかもしれませんが、生者の世界と同じぐらい生き生きとした場所なのです。

「森にてんとう虫がいるのですが、これに憑依して木の登り下りができます。てんとう虫は葉っぱでできたパラソルを持っているので、木の上から飛び降りると滑空できるんですよ」ダッソ氏は話します。

エネルギー溢れるシューターと、よりテンポのゆっくりとした静観的な物語は奇妙な組み合わせではありますが、物語に深みを持たせることで『Hauntii』はそれを見事にやってのけています。 雰囲気やトーンの変化を表現するのに十分な余裕があり、スムーズかつ自然に感じられるように作られています。これはゲームの主要なテーマを考えると重要な要素となります。

ダッソ氏はこう語ります。「『Hauntii』は気持ちを切り替えて前進したり、特定の状況を去らなければならなかったりすることをテーマとしたゲームです。 幽霊が死んでしまうと、すべてから前進する必要があります。 『Hauntii』のスクリプトを書いていたのは、アメリカから韓国に引っ越した頃でした。これは大きな変化です。 私の生活は180度変わりました。 そのためこのテーマについていろいろと考えていたのです。ある状況から前進することや新しい物事を受け入れることですね。 誰しもが自分の置かれている状況を変化させなければいけない局面に直面すると思うので、これは普遍的なテーマです」

これは『Hauntii』のあらゆる要素を結びつける心温まる感情です。 ダッソ氏によると、『Hauntii』のクリアまでのプレイ時間は8時間から10時間で、かなり大きな冒険に感じられるとのことです。 「私が予想していたよりも長くなっています。 これほど長くするつもりはなかったんですよ」とダッソ氏。 「トレーラーを見ただけだとこのような旅に出るのだということは分かりにくいですが、最後まで飽きがこないような物語を作ることに注力しました」

『Hauntii』はEpic Games Storeで5月23日(米国時間)に発売予定です。