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「恐怖の夏」で『Dying Light 2』がいかに変化を遂げたのか
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Jeremy Peel
花火やカメオ出演の裏では、デベロッパーTechlandが『Dying Light 2』に多くの根本的な変更を導入しています。コミックブックのアニバーサリーパーティーほど派手ではありませんが、シリーズのディレクターであるティモン・スメクタラ氏が最低でも5年間サポートする予定だと語るゲームへの、ポーランドに拠点を置く同スタジオの取り組みを象徴する意義のある変更です。

ある意味、『Dying Light 2』は、2015年にじわじわと大ヒットした前作『Dying Light』に似てきています。 同時に、続編の拡張MODツールでゲームをいじり、いまだに走り回っているプレイヤーのおかげで、Techlandは完全に新しいアイデアを採用しています。 スメクタラ氏を案内役として、私たちはこの夏『Dying Light 2』に導入された大きな変更や追加内容の背景にある考えを掘り下げました。
パルクールは自由に難しくすることができる
インタビューを始める際、パルクールへの興味を微塵も見せていないつもりでしたが、私たちがいかにパルクールゲーム中毒であるかは、あっという間にスメクタラ氏の知るところとなりました。 「パルクールが好きなプレイヤーは、筋金入りのプレイヤーなんです。ゲームメカニズムとしてのパルクールは、プレイヤーが理解するには非常に複雑で難しいからです。 スピードが速く、短い時間内にプレイヤーによる多くの入力を必要とします。 ある意味、格闘ゲームや『Dance Dance Revolution』をプレイするほどの負荷がかかるんですよ」とスメクタラ氏は説明します。
そこに一人称視点が盛り込まれます。 スメクタラ氏が続けます。「当然のことながら、距離の認識や空間の理解はより困難になります。 3次元空間が2次元の画面で平坦化されると、操作や正しい判断を行うことがより難しくなります」
このような課題の連続から、『Dying Light 2』でTechlandは、走ったりジャンプしたりという既存のモデルにプレイヤーがより楽にプレイできるような数々のアシスト機能を追加することで、パルクールをできる限り理解しやすいものにしています。 「これがうまくいったんです」とスメクタラ氏。 「リリースされた最初の数か月に何百万人ものプレイヤーがゲームをプレイしてくれました。 ところが、筋金入りのプレイヤーは、追加されたアシスト機能のせいで、ゲームの臨場感や肉体的衝動、安定感が失われたと感じたんです」
そこでTechlandは、メインメニューにあるスイッチを切り替えると、いつでもスタビライザーをオフにできる新しいオプション設定を設けることでこれに対処しました。 「アシスト機能は、ゲームがプレイヤーをアシストするためのものなので、プレイヤーが行う動作に対するコントロールの一部を無効化してしまいます」とスメクタラ氏は続けます。 「ジャンプが長くなり、走りも長くなります。 高いところから落下しても、すぐに落ちることはできません」 このスイッチを切り替えると、ヴィレドールのひびの入った道路に落ちてぺちゃんこという状況をより頻繁に体験することになります。 しかし、肉体的衝動や臨場感が増し、アバターを操作する自分の能力への新たな信頼感が生まれたことに気づくはずです。
Techlandは、この新設定を適切に導入するため、『Dying Light 2』のパルクールを専門とするYouTuberたちに相談しました。 「このプロセスを実施し、コミュニティに参加していただいたことを非常に誇りに思っています」とスメクタラ氏は述べています。
投げた近接武器を回収できる
Techlandは、制作を携わったもうひとつの大人気ゾンビシリーズ『Dead Island』にはもう関与していませんが、『Dying Light』とは依然として類似した点があります。 今年リリースされた『Dead Island 2』には、『Dying Light』スタイルのドロップキックが導入されています。そして、今度はTechlandが、『Dead Island』のユニークな特徴である武器の投擲を独自の方法で導入しました。 「『Dying Light』は『Dead Island』から進化したものです。 そのため、核となる体験は非常に似ています。 同じ原点から派生しているからです」とスメクタラ氏は説明します。
プライマリ武器を投げることはそれなりの代償が伴うものの、「戦術的に良い決断」です。 安全な距離から敵を倒すことができますが、大事な近接武器がない危険な状態でしばらく過ごすことになります。 また、『Dying Light 2』の戦闘においての触知性、つまり単に抽象的なアビリティを敵に対して放っているのではなく、殴り合う戦いで敵と接触している感覚を強化します。 「これは、私たちの開発における中核となるデザインガイドのひとつです」とスメクタラ氏。 「戦闘での肉体的衝動は重要なものなんです」
ヴィレドールがこれまでになく鮮明に見える
『Dying Light 2』をずっとプレイしたいと思っていて、まだ手をつけていないなら、出遅れたことを喜ぶべきなのかもしれません。 今PCでプレイすると、ウルトラモードでのグラフィックが強化されており、さらに前作の舞台であるトルコにちなんで名付けられた「ハランの日没」と呼ばれる新しい殺風景なカラーグレーディングが追加されています。
「もちろん、プレイヤーには1作目の『Dying Light』から『Dying Light 2』に移行してもらいたいと思いますが、これを実現するには、そのプレイヤーに慣れてもらう必要があります」とスメクタラ氏。 「1作目のプレイヤーを疎外したくはありませんし、 新しい体験で迷子になってしまっても困ります。 そのため、これらのプレイヤーの移行をよりスムーズかつ容易にして、歓迎されていると感じてもらうためにこの方法をとりました。 このアイデアは、いくつかのコミュニティフォーラムやRedditのコメントとして数多く書かれているのを発見したんです。 そこで『これは開発チームが達成できる範囲内だし、素晴らしいアイデアだからやってみようじゃないか』と考えたんです」
夜間の遭遇の緊迫感がアップ
Techlandが続編でより多くのプレイヤーを迎え入れるために磨きをかけた『Dying Light』の中核となるメカニズムは、パルクールだけではありません。 このゲームシリーズは、オープンワールドが夜になるとより危険になるという昼夜システムを採用しています。ところが、スタジオがそのデータを分析すると、プレイヤーの大半が第1作の「賑やかな」夜の世界を体験していないことが判明しました。
「恐ろしすぎたんですよ」とスメクタラ氏は説明します。 「2つの部分で構成されたゲームを開発者として制作して、コミュニティの大半がその半分をプレイしていないことに気づくと、問題があると感じてしまいます」 そのため、アンデッドが外で忙しく活動している状態で、屋内をより安全なエリアにして、夜をより生存可能にすることで、Techlandは『Dying Light 2』のゲームプレイループを再設計しました。
しかし、パルクール同様、以前は夜を回避していたにもかかわらず、そのスリルが恋しいと考えるプレイヤーも数多くいます。 「『Dying Light』に多くのプレイヤーを惹きつけていたのは、この夜の恐ろしさだったんです」とスメクタラ氏は言います。 「いわゆる禁断の果実ですね。 どこかに存在しますが、 触る必要も、食べる必要もありません。それでいながら、刺激的であり興味を持たせる要因なのです」

今年、Techlandはヴィレドールの夜における「恐怖の量を増加させるために苦渋の決断」を強いられました。プレイヤーが懐中電灯を握りしめ、あらゆる影に怯えるようにするため、より多くのゾンビを出現させ、可視性を落としたのです。 実を言うと、デベロッパーも怯えていました。 この変更を行えば、プレイヤーがその変更をプレイしたいかどうかにかかわらず、すべてのプレイヤーに影響を及ぼします。 「残念ながら、両方のシステムをゲーム内に維持することはできませんでした」とスメクタラ氏。 「そこで私たちは、新しい、ホラー要素の強い変更の実装を思い切って決断しました。 この決断は報われたように感じます。コミュニティから非常に好意的なコメントをたくさんいただきましたからね」
スメクタラ氏によると、この種の懸念はゲームを開発するうえで避けられないといいます。 「特に近ごろは、インターネットにプレイヤーが意見を述べられるプラットフォームがたくさんあり、辛辣になることもあります」とスメクタラ氏は続けます。 「どんな決断を下しても、『これで本当にいいのか? やはりこっちの方法か、それとも別の方法がいいだろうか?』と疑念を抱いてしまいます。 一般的に非常に恐ろしいことです。 それがゲーム開発なんです」
Techlandはコミュニティのアイデアにスポットライトを当てる
1作目の『Dying Light』の人気が出ると、このフォーマットが定着しました。 「共通の認識です。 コミュニティの一部にとって、これは神聖なことなのです。 私たちが実験する余地はあまり残されていません」とスメクタラ氏は説明します。
一方で、『Dying Light 2』のマップ構築コミュニティのMOD制作者たちは、それほど制限や不安を感じていません。 既存のプレイヤーや何百人もの従業員に対する責任がないため、Techlandが構築したメカニズムを自由に模索できます。 「コミュニティマップは、何でもありの場所ですからね」とスメクタラ氏は続けます。 「誰でも何でもできます」
デベロッパーはこのような実験をより多くのプレイヤーに体験してもらうため、mod.ioとコラボレーションを行い、追加のダウンロードや設定なしでゲーム内から直接コミュニティマップを利用できるようにしました。 この機能はPCで既に利用可能で、TechlandはこのMODツールセットに、武器や敵などのさらなるアセットを追加することを予定しています。 「クリエイターの中には非常に突拍子も無いアイデアを持っている方もいます。 SF映画をそのまま持ってきたようなマップもありますし、蒸気機関車で終末世界的な荒地を移動するマップもあります。 本当に素晴らしい創造力ですよ」とスメクタラ氏は語ります。
Techlandは怖いゲームの開発に10年以上を費やしてきましたが、時には真に恐れ知らずのMOD開発者が必要なのかもしれません。