
『Kingdom Come: Deliverance II』が中世RPGシリーズをさらに押し広げる方法

『Kingdom Come: Deliverance』が2018年にリリースされると、大きな反響を呼びました。 チェコのデベロッパーであるWarhorse Studiosの、このデビュー作は、通常のRPGよりも歴史の正確さに重点を置いています。『Skyrims』の世界のドラゴンや派手な魔法といったファンタジー要素ではなく、鍛冶、盗賊の襲撃、600年以上前にこの地方を荒廃させた内戦など、15世紀のボヘミアを細部まで再現しています。
そのアプローチは報われました。 第1作目の『Kingdom Come: Deliverance』は2024年時点で、600万部以上を売り上げています。 それから6年後の今、この意欲的な続編は、RPGのビジョンをさらに高め、より大きな都市、よりスムーズな戦闘、より強化された自由感を特徴としています。 リードスクリプターであるマーティン・ジーグラー氏の言葉を借りれば、Warhorseは、あらゆる面で大幅な進化を遂げた『Kingdom Come: Deliverance II』を、彼らが常に目指していたゲームであると見ているのです。
「最初の『Kingdom Come: Deliverance』を始める前から、続編を作ろうと決めていました。というのも、1本のゲームにとどまらない物語を作りたいと考えていたからです」ジーグラー氏は説明します。 「(1作目の)開発中、多くの素晴らしいアイデアを捨てざるを得ませんでしたが、そのことで将来的に再びそのアイデアを取り入れたいという思いが強くなりました。ありがたいことに、プレイヤーに後押しされた1作目の成功により、この続編に取り組む機会をいただけました。とても感謝しています」
『Kingdom Come: Deliverance』の核となるコンセプトは、今日でも大予算のRPGでは珍しいものです。 プレイヤーは王子でも王でもなければ、選ばれた英雄でもありません。 プレイヤーは慎ましい鍛冶屋の息子ヘンリーです。 奇襲攻撃により家族が殺されて以来、ヘンリーはハンガリー王ジギスムントに対する復讐を企てます。
前作の『Kingdom Come: Deliverance』では、ヘンリーはボヘミア王ヴァーツラフ4世の支持者と手を組み、この地域で続くジギスムントの襲撃を撃退します。 『Kingdom Come: Deliverance II』はこのストーリーを引き継いだものですが、ジーグラー氏は続編の内容を理解するのに、1作目をプレイする必要はないと話します。
「私たちは最初から、続編のストーリーが独立して成り立つように設計し、新規プレイヤーでもすんなりプレイできるようにしました。また、最初の数時間の自然な説明を通じて、戻ってきたプレイヤーに前作の主要な筋書きをそれとなく思い出させます」とジーグラー氏は説明します。「1作目から続く2つの主なストーリーは、ヘンリーの個人的な復讐の探求と、ヴァーツラフとジギスムントの間の国内の政治的対立です。これは地域に重大な影響を及ぼし、このストーリーは頻繁に絡み合います」
ジーグラー氏は『Kingdom Come: Deliverance』の中心となるミッションを「本物の中世ボヘミアへの没入へプレイヤーを誘うものである」と説明します。 ジーグラー氏は、1作目では主に設定内の小さな村、城、自然の風景に焦点を当てていたが、これはこの種のRPGで、大規模で活気のある都市を作成することに伴う課題が一部あったためだと述べています。 とはいえ、Warhorseは2018年以来、規模が2倍以上に拡大し、経験も豊富になっているため、チームは『Kingdom Come: Deliverance II』では、クッテンバークという大きな地方都市を大きくフィーチャーすることを目指しました。
ジーグラー氏は話します。「大きな目標として、ゲームの舞台を大都市に移すということがありました。 まず、私たちの核となるコンセプトの自然な進化だったと思います。というのも、都市は社会の中核を象徴し、現代にいる私たちプレイヤーが探索してみたいと思うような場所ですからですね。 主要な地方都市への移行は、このビジョンをしっかりと体現しています。 私は特に、『Kingdom Come: Deliverance II』でのクッテンバークの描写、特に徹底した調査によって、生活感をもち、本物らしく仕上がったことに満足しています」

このような深い没入感を実現するために、Warhorseは、歴史家、大学教授、リエナクターなどの数多くの専門家に世界構築の指導を依頼しました。 (ジーグラー氏はまた、ゲームに登場するさまざまな民族や宗教的信条を代表する専門家に助言を求めたと述べています。)
こうした専門家たちは、15世紀のボヘミアの日常生活について、私たちが抱いている中世の文化的認識とは対照的な詳細を明らかにすることが多かったそうです。 たとえば、ヘンリーの時代のボヘミアにはまだジャガイモが流入していなかったものの、スイカは存在していたとジーグラー氏は話しています。
当然のことながらWarhorseはまた、『Kingdom Come: Deliverance II』の戦闘の特定の側面を監督するために、フェンシングや武器の専門家を雇い、モーションキャプチャのセッションにも参加させました。
戦闘といえば、他のRPGで盗賊を難なく退治したり、ドラゴンが吹く炎を数個のヒーリングポーションでしのいだりすることに慣れているプレイヤーは、『Kingdom Come: Deliverance』の近接戦闘を体験すると驚きを隠せないかもしれません。 剣が数回当たるだけで、プレイヤーは簡単に倒されてしまいます。 何も考えずに攻撃ボタンを連打するとヘンリーは疲れてしまい、大ダメージを受けてしまう恐れがあります。 神経質な馬は、わずかな危険の気配でプレイヤーを投げ出すかもしれませんし、防具を身につけるかどうかが、ちょっとした切り傷で済むか、命にかかわる怪我を負うかの分かれ目になります。
Warhorseはプレイヤーが高く評価した「リアルな」アプローチを維持しながらも、1作目で難しいと感じた人たちにも戦闘をより分かりやすくする方法を模索したと、ジーグラー氏は述べています。
ジーグラー氏はさらにこう話します。「戦闘システムについては、数々の調整を繰り返しました。前作で複雑すぎると感じたプレイヤーにとって、より親しみやすいものにすることを目的とした調整もあれば、既に前作を楽しんでいて、より没入感のある続編を求めるプレイヤーにとって、経験を深めることを目的とした調整もあります。 前作で登場した武器クラスに加え、本作にはクロスボウや原始的な火薬ライフルも追加され、それぞれに戦術的な利点や考慮すべき点を提供しています」

『Kingdom Come: Deliverance』の特筆すべき点は、ノンリニアなクエストデザインへの革新的なアプローチです。 シリーズのメインストーリーがより「演出的」であるため、Warhorseが『Kingdom Come: Deliverance』の数多くのサイドクエストに取り組む際、プレイヤーに最大限の自由を提供するよう努めているとジーグラー氏は説明しています。
ミッションによっては、敵に気づかれずに敵対状況をステルスで抜けるか、毒を使って同じ部屋にさえいない状態で静かに敵を排除するか、遠くから矢で敵を倒すかの選択肢があります。 (もちろん、剣と丈夫な鎧で正面から突っ込むのも常に選択肢としてあります。) 一部のサイドクエストでは、主要な登場人物の最終的な運命を、彼らに対する個人的な感情に基づいて決定することができます。これは、最高傑作のRPGでも選択肢として常に与えられているわけではありません。
「クエストデザインへのアプローチ、特にサイドクエストに対するアプローチにはとても気に入っています。プレイヤーが自分のやり方でクエストに取り組む自由度を大きく高め、ゲームがプレイヤーの選択に動的に反応することを目指している点ですね」とジーグラー氏は述べます。 「このアプローチから生まれる創発的なストーリーテリングが、よりリニアで構造化されたメインクエストの物語を補完するのを気に入っているんです」
『Kingdom Come: Deliverance II』はRPGのルーツに忠実ではありますが、Warhorseは全体的な体験を向上させるため、前作と比較して特定の部分を合理化しました。 ジーグラー氏によると、Warhorseは前作のスキルのいくつかをまとめることでシンプルにし、必要とあらばプレイヤーはヘンリーの防具を素早く変えることができるようになりました。
ジーグラー氏はまた、スタジオの強化されたNPC技術についても言及しています。これは、プレイスルー中に顕著になるユニークで詳細な特徴を持つキャラクターを生成します。 たとえば、鍛冶屋は力のステータスが高く、戦闘に備えてハンマーのような武器を装備できます。また、酒場で隣に座っている年配の書記官と比べて、脅した場合に抵抗する可能性も高いです。
ジーグラー氏は『Kingdom Come: Deliverance II』の驚くべきNPCの挙動は、この続編の没入感を高める上で非常に重要だと話しています。 ヘンリーが遭遇するあらゆるキャラクターに、昼から夜にかけて行う『シェンムー』スタイルのルーチンがあるのです。 特定の世界の出来事や要因もこの規則正しいルーチンに影響を及ぼし、キャラクターに深みを与えています。
「NPCについていくと、彼らがその時代の実在の人物とまったく同じように行動していることに気づくでしょう。NPCはみんなと一緒に朝食を食べ、仕事に行き、買い物をし、夜はパブや散歩でくつろぎ、通りで乱闘に遭遇したり、友人に会ったり、町の広場の絞首台で浮浪者が公開処刑されるのを目撃したりすれば、予定を変更することだってあります」ジーグラー氏は説明します。 「最近、その地域で暴力行為や盗難があった場合は、このルーチンを変えるでしょう。ビールを飲みに行く代わりに家にいたり、武器を携帯したり、パトロールの増員を要請したりということですね。 このようなことは、プレイヤーがその場にいようがいまいが、ゲーム世界の至るところで絶えず起こっています」

『Kingdom Come: Deliverance II』のサイドクエストを作成するにあたってチームは、2つの村の間で起きる小競り合いから行方不明者まで、中世ボヘミアでの日常生活に焦点を当てたとジーグラー氏は話します。 「このような日常的な問題が、中世の時代にはどのように違った形で展開したかを理解することは、プレイヤーをその歴史的時代に没入させるという私たちの基本的なビジョンの極めて重要な部分なのです。
同様に、ヘンリーのメインクエストの作業中は、物語の着想源となった歴史上の実際の出来事にできるだけ忠実であることをチームは目指しました」 と言いつつジーグラー氏は、それらの出来事は最終的にヘンリー自身のフィクションの物語の「背景」として機能していると指摘します。 『Kingdom Come: Deliverance II』はRPGに対する現実的なアプローチを踏襲しているため、プレイヤーはサイドクエストやその他のアクティビティを大幅にコントロールできますが、メインクエストはキャラクターのささやかな出自をはるかに超えた壮大な闘いであることに変わりはありません。 ヘンリーはこれに参加しますが、結果に影響を及ぼすことはできません。
ジーグラー氏はこう説明します。「この時代の政治と暴力的な対立は、メインストーリーの中心を成しています。 これらの出来事は、プレイヤー自身の物語の中で展開され、世界の探索を通してその影響を目の当たりにすることができます。 山賊が荒野を徘徊しており、侵略により外国人傭兵が入国し、地元の人々はこうした出来事に反応します」
「数々の挑戦のひとつは、プレイヤーのキャラクターであるヘンリーがこれらの出来事で重要な役割を果たし、ストーリーに自分の影響を感じられるようにすることでした。しかし、ヘンリーが村の鍛冶屋の息子にすぎず、出来事に影響を与える手段が限られているという社会的現実に忠実である必要もありました。 最終的には、うまくバランスを取って、どちらも維持できるようにできたと思います」
Warhorseの現実的なアプローチは、ストーリーや戦闘の域をも越えます。 ジーグラー氏によると、チームはゲームのほぼすべての面で中世ボヘミアの物理的な現実を強調し、プレイヤーにとって直感的で親しみやすいものにするよう努めたとのことです。 氏は、『Kingdom Come: Deliverance II』の飢えと照明のサブシステムを例にとります。
「一方では、飢えを避けるために食べなければならない、注意を向けられないようにするため慎重に移動しなければならない、暗い場所では光源を持ち歩かなければならない、というように、ゲーム中のすべての行動が理解しやすい現実的な概念に基づいているため、プレイヤーにメカニズムを説明するのに役立つんです。 逆に言えば、このようなオープンエンドのゲームでリアルなAIの挙動を実現することは、プレイヤーに大きな期待を抱かせることになります」
2018年当時、『Kingdom Come: Deliverance』は予想外のヒットとなりました。それなりにニッチなコンセプトのゲームが、最終的には予想以上に幅広い観客を魅了したのです。 それから6年後の現在、その続編は、ゲームではめったにお目にかかれない「本物の」中世体験を求める何千人もの熱狂的ファンを虜にしようとしています。 『Kingdom Come: Deliverance II』は、より成熟したスタジオの成果であり、ファンには、より大規模なバトルと没入感の強化を楽しんでもらえたら嬉しい、とジーグラー氏は語っています。
「リリースを待ち望んでいると声をかけてくださるプレイヤーに、この場を借りて感謝の言葉を述べたいです。 本当に元気が出ますし、全力を尽くそうという気にさせてくれますね」
『Kingdom Come: Deliverance II』は2024年後半にEpic Games Storeでリリースされます。