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『Ravenlok』の素晴らしい1980年代の影響とボクセルの進化

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Brian Crecente
2022年7月13日

『Echo Generation』の制作陣が送り出す新たなボクセルゲームの傑作は、『不思議の国のアリス』をはじめとする様々な作品から影響を受けた作品となります。

『ラビリンス 魔王の迷宮』『ネバーエンディング・ストーリー』『ナルニア国物語』といった名作を数えきれないほど見直しました」と、『Ravenlok』のゲームディレクターであるヴァネッサ・チア氏は、最近行われたEpic Games Storeのインタビューで語っています。「スタジオジブリの作品、特に『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』、『千と千尋の神隠し』は素晴らしいインスピレーション源となっています。これらの物語は感情を揺さぶり、忘れることのできない冒険へと連れ出してくれます。私たちも『Ravenlok』をそんな作品にしたいと思っています」

『Ravenlok』は今年の夏にXbox & Bethesda Games Showcaseで発表されたゲームで、Cococucumberによるボクセル三部作の3作目にして最後の作品となります。そのトレーラーは、少女が鏡を通り抜け、ウサギや真っ赤に飾り立てた女王といった奇妙なキャラクターがひしめくファンタジーの世界へと落ちていくというもので、『不思議の国のアリス』や、アメリカン・マギーによるルイス・キャロル作品のダークな解釈との比較がなされています。

『Ravenlok』を初めて見て『不思議の国のアリス』を思い浮かべる人は多いですね。もちろん私たちのインスピレーションの一つではあります」とチア氏は語ります。「Disneyのアニメーションやティム・バートンの作品に匹敵するものを作るのは不可能です。そのため、最初から自分たちの作品は独自のものであるということを明確にしておきたかったのです。構成としては、『少女が魔法の世界に引き込まれ、自分が何者かを見つける旅に出る』という法則に従いながらも、私たちにとって意味のある物語を語る手段として利用しています」

「私にとってインスピレーションとなっているのは、特にアジア人としてのアイデンティティに対する考えを探求することです。Kiraがアジア人であるということははっきりと述べられていませんが、このような生い立ちを持つ少女が魔法の世界を冒険する物語を新たに解釈することで、別の側面が生まれています。アジア人の少女だって、はちゃめちゃな世界の主人公になれるはずですから」

アメリカン・マギーの解釈との比較は興味深いものの、どちらかといえば、この影響力の強いアーティスティックな開発者の新作を待ち望む欲求が反映されたものだと、チア氏は付け加えます。

『Ravenlok』にもホラー要素はあるかもしれませんが、私たちのアプローチやプロセスはまったく異なります。私たちは、『不思議の国のアリス』が何たるかという制約から抜け出し、自分たちで定義し直したいと考えています。妖精の魔法の粉で、私たち自身の証を残そうというわけです」

『Ravenlok』は、キャロルの鏡の国を通り抜けるわけでも、アメリカン・マギーの名作の続編になるわけでもありません。スタジオがボクセル三部作と呼ぶ作品の一つとして開発された、独自の特徴を持つゲームとなります。
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Riverbond(Cococucumberが送り出すボクセル三部作の1作目『Riverbond』)


三部作の1作目は、2019年にリリースされた『Riverbond』です。そして昨年には、2作目の『Echo Generation』がリリースされました。『Ravenlok』を含む3作品はいずれも、進化した3Dピクセルアートを使用しています。チア氏によると、この特殊なアートスタイルに対するアプローチは、改善と変化を続けているとのことです。そのため、今回リリースされるタイトルでは、その美学を認識しない人が出てくるかもしれないと述べています。

「私たちは現在、『Ravenlok』の美学がボクセルとして受け入れられる限界を押し広げようとしている段階にいます。『Ravenlok』のトレーラーを見て、戸惑う人もいるかもしれません。『これはボクセル?ボクセルじゃない?どうなっているんだ?』と。人々が困惑するのは、それが芸術であり、芸術は挑戦的であるべきことの証だと読み取るべきなのかもしれません」

「つまり、私たちは、クリエイティブなビジョンを実現するための様々な手段の一つとして、ボクセルの美学を用いているのです。これらのゲームを作る過程で、チームのスキルは大きく向上しました。その結果、もっと野心的なことに挑戦したい、この3Dピクセルアートのスタイルで、様式化されたリアリズムの領域をもっと押し広げたいと考えるようになりました」

『Ravenlok』の進化したビジュアルは、本質的にチーム自身がスタジオとして進化や成長を遂げた今の状態でもあるのです。突き詰めると、この3つのタイトルでスタジオの創造的な方向性を見出せたと感じると、チア氏は説明します。

「私たちの最初のボクセルゲーム『Riverbond』は、協力プレイ要素を含むアーケードダンジョンクロウラーです。色鮮やかなブロックを組み合わせたような、プレイしていて楽しくなるようなゲームです。『Echo Generation』‏‏『Ravenlok』と作品を進めていくうちに、物語が複雑になったので、それに合わせて様々な部分を進化させる必要がありました。これらのゲームは、私たちが子どもの頃に持っていた想像力をたたえているのです」
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Echo Generation(Cococucumberが送り出すボクセル三部作の2作目『Echo Generation』)

『Echo Generation』では1990年代が舞台となり、小さな田舎町で育ったマーティン(ワルツ)の生い立ちが色濃く描かれています。水面下には謎と危険が潜んでおり、視覚的にもそれを反映するように、より限られた情報を彩度の高い色彩で表現しています。スタイルとテクニックが絡み合い、ゲームは段階的に進行していきます」

『Ravenlok』は、乗り越えられないと思われる問題を解決するために、ファンタジーの世界へ逃避することがテーマになっています。主人公が一人前になっていく物語の中で私たちが探求しているのは、家族、アイデンティティ、自分の心のよりどころとなる場所を見つけるという普遍的なテーマです。ファンタジーというジャンルならではの素晴らしいほど奇妙な世界の中に、プレイできる寓話やおとぎ話がたくさん詰まっているのです」

この三部作が3つのジャンルにわたって制作されたのは、スタジオの成長と好奇心の副産物だとチア氏は語ります。

「私たちは、今までやってきたこと、やるべきこと、他のみんながやっていることに縛られたくありません。実際、『Echo Generation』のターン制戦闘では、ニッチな戦闘スタイルということでちょっと賭けに出たわけですが、結果的に好評でホッとしていますし、嬉しく思っています」

『Ravenlok』では、三人称視点のリアルタイム戦闘に移行することで、新たな課題が生まれました。常に学び、向上しようとすることは刺激になりますね。過去作の戦闘デザインの過程で学んだことを基礎に、『Echo Generation』のボスのデザインなど、うまくいったものを『Ravenlok』で進化させています」
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Enemy

スタジオが何かを作り上げるのに成功すると、美学、ジャンル、ゲームプレイ、セリフ、レベルデザイン、これらすべてがうまい具合にまとまり、ムードや雰囲気と相まって、素晴らしい体験を提供することができるのです。

「私たちは、ある瞬間を経験するという体験を、余すことなく捉えたいと考えています。『Echo Generation』で何気ない日常の中に美しさを見出すように、自分たちが構築している世界を発見すると、一種の驚きがあります」

『Ravenlok』では、このような瞬間を生み出す機会がたくさんあり、秘密の庭、ピアノを弾くメランコリックなウサギ、城門の外に座る思慮深いゴーレム、綿菓子のような夕焼けの中で眺める迷宮などが登場します。これらはすべて、ゲームを輝かせるムードなのです」

この3つの作品はそれぞれ異なるジャンルで、ユニークなテーマを持ち、ボクセルグラフィックへの進化的アプローチを取っているにもかかわらず、なぜスタジオが三部作としてまとめることにしたのかを不思議に感じる方もいるはずです。ボクセルの視覚的要素以外で、3つのタイトルを結びつけているものがあるとすれば、それは何でしょうか?

「ゲームとゲームをつなぐのは、チーム自身です」とチア氏は説明します。「私たちにとってゲームを作るプロセスは個人的なものであり、自分たちが世界をどう見ているかを表現するものです。私たちはゲーム制作を通して成長し、ゲーム制作の技術を向上させ、自分たちの創造的な方向性を見つけたのです」

「それからもうひとつ、私が常に意識することは、プレイヤーがそれぞれのゲームをどのようにプレイしているかです。『Riverbond』は、家族全員が楽しめるように作られています。親子で『Riverbond』をプレイしているうちに絆が深まったという話もよく聞きますし、それが実質的に初めての共同作業だったという話も耳にします。一番の驚きは、その子供たちが4歳から8歳くらいで、非常に幼いことです」

「『Echo Generation』『Ravenlok』では、ゲームのメインキャラクターだけではなくプレイヤーも成長しているのです。『Echo Generation』の10歳から12歳あたりの中学生から、『Ravenlok』の奔放な14、15歳のティーンエイジャーへ。ボクセル三部作が描写するのは大人になる過程というテーマで、その中心には、内なる子供の部分の輝きを失わないことがあります。」
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Castle

そのプロセスの一部は、過去の作品の何が成功し、何がうまくいかなかったのかを再確認することも意味しています。例えば、『Echo Generation』のレベル上げが困難だと感じた人がいたことをチームはよく理解しており、『Ravenlok』『Echo Generation』の両方で、その点を改善したいと考えているとチア氏は語ります。

「このフィードバックは、私たちがよく耳にするものです。昔のゲームはもっと難しかったんだ、というノスタルジアに浸りすぎてしまったのかもしれません。難易度の選択肢を増やすなど、パッチを当てることも考えています。『Ravenlok』の難易度のバランス調整については、特に序盤で緩やかにすることで、より多くのプレイヤーに楽しんでもらえるようにする予定です。ソウルライクのような難易度のゲームを作るのではなく、誰もが遊べるような内容にすることを念頭に置いています。」
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Queen

一方、『Echo Generation』の実に巧みな敵のデザインにおいて、チームは視覚的にも多様性の面でも完璧にやり遂げました。『Ravenlok』のトレーラーでは敵と遭遇する可能性が多々あるように見えたので、チア氏にその1分半の間に私たちが目にしたものについて説明してもらいました。

「初公開トレーラーでは、闇堕ちした初期のボスであるWeeping Fungiの姿が確認できます。彼が立ち上がっているショットは、戦闘に入る前の期待感を高めるためのイントロアニメーションのものです」とチア氏。「遭遇の際に、プレイヤーはアリーナに移動します。これは『Echo Generation』と似ていて、オーバーワールドや、戦闘に引き込まれる敵との遭遇がありますが、『Ravenlok』の戦闘はターン制ではなく、リアルタイム制になります。主人公は定番の剣と盾、そして魔法のスキルで敵と戦います。戦いの後は、再びオーバーワールドに戻り、探索やクエストを楽しむことができるのです」

「Mecha Eagleについて言うと、このボスはゲーム中盤のClock Tower(時計塔)で登場します。ゲームのボスを機能させるのは、多くの場合キャラクターそのものであり、彼らの物語での関わり方、そしてその驚きの要素に関係してくるので、あまりネタバレしないようにしています」

2023年発売予定の『Ravenlok』でCococucumberのボクセル三部作が完結するため、同スタジオの次回作についてだけでなく、ボクセル・アートのプロジェクトは終了したのか、という疑問が残ります。
Ravenloks Wonderful 80s Inspirations And Voxel Evolution Mirror

「次に何をするか、本当にたくさんのアイデアがあるんです」とチア氏は語ります。「ビジュアル系の経歴を持っているので、アートスタイルは当然新しいゲームのアイデアの大事なポイントであり、時には出発点になることもあります。ですが、新しいゲームに取り掛かるときは何に対してもオープンですし、インスピレーションもあらゆるところから得ています。様々なジャンルの本や映画、音楽、テレビ番組から多くを学びます。例えば、2人の人間が同じ番組を見たとしても、それぞれが全く違う解釈をして意見を持つのは本当に興味深いことです。現在の社会が分断されている状況では、驚くことではないのかもしれませんが、こういったことを考えるのは面白いですね」

「私たちと一緒にこの旅に参加してくださっている皆さんに心から感謝します。オリジナルゲームに取り組み、自分たちの世界を披露し、誰もがプレイして判断できるようなものを世に出しているクリエイターになることは、必ずしも容易なことではありません。ですが、ファンの皆さんが見せてくださった私たちへの信頼と寛容さは驚くほど素晴らしいものです」