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自身の魂を癒す男の旅を描いた、スラブにインスピレーションを受けたダークファンタジーアドベンチャー『Selfloss』

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Rachel Watts
2024年7月8日

探検アドベンチャーゲーム『Selfloss』は、悲惨な行為の発覚から始まります。 不気味な辺獄の世界に足を踏み入れ、瀕死のクジラと奇妙な遭遇を果たしたあと、主人公のカシミールは現世に戻され、旅に出発します。 年老いた癒し手は、傷ついた魂を癒す古代の儀式を探し求めますが、それを見つけるためには怪物と魔法に満ちた世界を旅しなければなりません。

ゲームが言わんとしていることは明らかです。 『Selfloss』は、海の巨大な生き物や仮面をかぶった神々、空を飛ぶクジラなどが住むファンタジーの世界を描いてはいるものの、その本質は現実の世界に根ざしています。 「ゲームの核にあるのは他人を助けることについての壮大な冒険ですが、[プレイヤーは]同時に自分自身の魂を癒す方法も探すことになります」と語るのは、Goodwin Gamesの創設者であるアレックス・グッドウィン氏。 「これは、近しい人の死を受け入れる物語です。 『Selfloss』というタイトルは、自分がとても愛している人を失ったときの感情を暗示しています。自分自身も見失ってしまいますからね」

本作品は、カシミールがさまざまな見知らぬ土地へと向かう壮大な冒険ですが、当初のゲームの規模はもっと小さいものでした。 『Selfloss』は、2015年にグッドウィン氏がコンピューターサイエンスの学士号を取るため、勉強していたときにサイドプロジェクトとして始まりました。 博士課程に進んでからも、まだプロトタイプに取り組んでいました。 大学のクリスマスパーティーで、酒に酔った同級生たちがプロトタイプに興味を持ちました。彼らは数時間ゲームをプレイして酔いが醒めると、グッドウィン氏がどのようにさまざまなシステムを導入すべきかを提案し始めました。 

「そのときに『これはもう単なる趣味のプロジェクトじゃない。 ちゃんとしたゲームになる可能性を秘めているんだ』と思ったんです」とグッドウィン氏は語ります。 

グッドウィン氏は数年間独りで本作の開発を進め、その後チームを拡大することに決めました。 氏はリタ・ゴロコヴァ氏を見つけ(それもなんとTinderで!)、彼女は2年間かけてゲームのビジュアルを改良しました。その後、ディミトリ・ナカビン氏が加わり、プログラミングの面で協力しました。 それ以来、チームはそのまま変わらず、カザフスタンのスタジオで『Selfloss』の開発に勤しみました。 
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2020年もせっせと活動を続けたこのチームは、Unreal Engineを使用して開発されたインディーゲームプロジェクトを支援するEpic GamesのMegaGrantプログラムの受賞者に選ばれました。 強力なチームと、さまざまな投資家やイニシアチブからの資金に支えられ、『Selfloss』は、規模を広げた、奥の深い感情に訴えるゲームへと花開きました。 

何年も経ってはいますが、グッドウィン氏の元々のアイデアはまだ息づいています。 資金と強力なチームにより、カシミールを取り囲む世界がより広大になっただけです。 カシミールの家から初めて足を踏み出すと、目の前の道を塞ぐ、紫の大きなブヨブヨの塊に遭遇します。 プレイヤーは信頼できる杖の助けを借りながら、障害物を乗り越えていかなければなりません。 強力な光線は、脈動する「ミアズマ」を溶かし、敵に対する武器となり、複雑なパズルを解くために使用します。 杖の操作は、魅力的なパズルの解明や戦闘につながります。

「カシミールは本物の魔法使いではありませんが、この魔法の杖を使いこなせるんですよ」とグッドウィン氏は説明します。 「この杖の重要な特徴は、デュアルコントロールにあります。つまり、ゲームパッドの左スティックで杖を操作し、右スティックでカシミールを操作できます(PCではマウスとWASDキー)。 これにより、杖をどこかに置いたまま、別の場所に移動することもできるんです」

このゲームでは、杖の配置メカニズムを中心としたパズルプラットフォームに重点が置かれています。 あるエリアでは、有毒物質の水たまりを渡る必要がありました。そこで私は杖を端に置き、光線を水たまりに投射して道を作り、無事に渡り終えたら笛で杖を呼び戻しました。 戦略的に杖の配置や回収を行うことで、神秘的なルーン文字に光を当てたり、古代の石の扉を開けたりすることが頻繁にあります。

戦闘はパズルよりも少し複雑です。カシミールが敵の攻撃線上にいないようにしつつ、光線をコントロールする必要があるため、注意を分散させなければなりません。 幸いなことに、敵が近づきすぎたときのために、近接範囲攻撃と回避ロールも用意されています。 プレイ中、私が遭遇した敵はブヨブヨした紫色のヒューマノイド1種類だけでしたが、ゲームのスクリーンショットやトレーラーには、謎解きと戦闘スキルの両方が要求される『ゼルダ』シリーズ風の壮大なボス戦が登場しています。

『Selfloss』にはスリル満点のアクションが満載の瞬間もありますが、ゲームのファンタジー世界はどちらかというと思索的です。 スラブやアイスランドの民間伝承からインスピレーションを得ており、巨人、エルフ、マーフォーク(グッドウィン氏によれば、バーバ・ヤーガを思わせるキャラクターもいるとのこと)に遭遇します。しかし、このゲームのインスピレーションの多くは、海洋生物や海景に基づいています。 サンゴの群生が崖の壁を登り、魚の群れが鳥の群れのように空中を滑空し、プレイヤーは巨大なカメやクジラなどさまざまな海洋生物に遭遇します。 このゲームに登場する海洋生物の存在は非常に大きく、海洋動物の保護に力を入れる団体Whale and Dolphin Conservationの目に留まり、現在、同団体がゲーム開発に協力しています。 
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『Selfloss』には、神々、幽霊、精霊も登場し、それぞれが重要な役割を持っています。 カシミールの旅の冒頭で、プレイヤーは生者の世界と死者の世界を行き来しているように見える、長く白い布をかぶった謎めいた仮面の存在に出会います。 儀式用の頭飾りと印象的な白い瞳を持つ、威厳のある死の女神マレーナもいます。 

「彼女は開発初日からずっと実装されています」とグッドウィン氏は語ります。 「以前は、復活に関連するゲームのメカニズムで重要な役割を果たしていましたが、開発中にこのメカニズムは削除され、マレーナは物語により深く関わるようになりました。 彼女はゲーム内でずっと存在しますが、何も言葉を発することはなく、身振りのみです」

チームは、ゲーム内の伝承にも多くの時間を費やしています。 プレイヤーは隠された巻物を発見することができ、そこには神々の役割、巨人による侵略、この世界における人間の存在意義など、この奇妙な世界の歴史を探る短い文章が記されています。 ある伝承は世界の始まりを語り、パズルのピースが組み合わさり始める重要な瞬間のひとつとなります。

グッドウィン氏はこう説明します。「『Selfloss』の世界で最も重要なのは、壮大な海の存在です。それは天国のようですが、実際は一頭の巨大なクジラが漂う広大な海なんです。 ある日、そのクジラが地上に落ちてきて、その体のあらゆる部分に生命が宿り、魚や動物、人間、巨人、エルフ(アイスランド風に聞こえるのでElfuryと呼んでいますが)など、さまざまな生命体や種族が誕生しました。 すべてが巨大なクジラの腐りゆく体から再生したんです」 

生態系は『Selfloss』の世界構築において重要な役割を果たしており、生物学的かつ生態学的ビッグバンのような瞬間であるクジラの墜落ほど、ファンタジー世界の発端にふさわしいものありません。 生と死の循環はゲームの核をなす重要なテーマであり、感情の起伏に富んだ、入念に練られた物語を形成します。 

「感情に訴えるゲームにするために、特定のチャプターが設けられています」とグッドウィン氏は語ります。 「これらのチャプターでは、エリアを自由に探索できます。 プレイヤーの主な目的は、困っている生き物を助けることと、命を落とした存在とその死を悼む存在の両方にとって重要な品物を手に入れる「セルフロスの儀式」を行うことです。 これは私自身の個人的な経験からインスピレーションを得たもので、愛する人を亡くした人と話すと、故人を思い起こさせる物を持っていることが多かったんです。 こうした品物は時には素晴らしい思い出になりますが、辛い思い出になる場合もあります。 プレイヤーは、そういった品物を誰かのために見つける必要があるんです」
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この儀式には、2つ目のアイテム、「喪失」という名で呼ばれる魚のエッセンスが必要です。 これを見つけるには、大海原に出る必要があります。 海洋生物に深くインスピレーションを受けた世界を持つ『Selfloss』では、広大な海が探検されるのを待っています。 カシミールには航海の経験があり、プレイヤーは彼の質素な木造のボートを使ってさまざまなエリアを航行します。 航海は本作の見どころであり、カシミールの旅の各チャプターで細々したエリアを自由に探索する機会を提供します。

「喪失」の魚を見つけたら、まずは捕まえなければなりません。 『Selfloss』の魚釣りシステムは、典型的なゲームのメカニズムとは一味違った新鮮なものとなっています。 杖を釣り竿として使用し、かかった魚は逃げ出そうとするため、プレイヤーは追いかけなければなりません。 うまいこと同じペースを維持すると、魚を釣り上げることができます。 戦闘と同様、魚釣りシステムも少し複雑ですが、普通なら地味な儀式に刺激的な要素を加えています。 「アクティブでダイナミックにしたかったんです」とグッドウィン氏。 「ひとつのスポットにじっとしているなんてことはありません」

カシミールの思索的な旅に、このような興奮と驚きの瞬間が散りばめられているのを見るのは新鮮です。 『Selfloss』の狙いは、たとえ少しの間であっても、プレイヤーに自己を振り返る機会を提供することです。 カシミールが自身の魂を癒す方法を探しているのと同じように、グッドウィン氏はプレイヤーも『Selfloss』のストーリーに精神を浄化する何かを見つけて欲しいと願っています。 

「プレイヤーはゲーム序盤で、カシミールが誰かを失くしたのだと理解します」とグッドウィン氏。 「同じように感じているプレイヤーや似たような境遇を経験したプレイヤーに、自己を省みる何かを提供できればと思っています」

『Selfloss』は間もなくEpic Games Storeに登場します。