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『33 Immortals』の地獄絵は中世風味満載

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Colin Campbell
2024年3月4日
『33 Immortals』は、高い評価を得た『Spiritfarer』のデベロッパーでもある、モントリオールを拠点とする開発チームThunder Lotusが贈る近日発売のマルチプレイヤーローグライクです。 死後の世界を舞台とする『33 Immortals』は、イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの14世紀の傑作『神曲』にインスピレーションを受けており、この詩の中で作者は地獄、煉獄、天国を巡ります。

プレイヤーは32名の仲間とチームを組むため、タイトルは『33 Immortals』となっています。チームは共に死後の世界で戦い、数々の強敵を倒します。 クリエイティブディレクター、ステファン・ロジエ氏によると、Thunder Lotusが33という数字を選んだ理由は、『神曲』一部が33章の三部構成であるからだそうです。

今のところは、昨年の夏に開催されたMicrosoftのXbox Games Showcaseを含め、Infernoを舞台とした『33 Immortals』の一部が主に紹介されてきました。 『33 Immortals』の凄まじいローグライクアクションは、混沌と炎を特徴とし、邪悪な霊、モンスター、インプが住んでいる、ダンテの詩の世界の芸術的な描写に基づいています。 『33 Immortals』のアートは、ゲーム全体の体験を形作る上で重要な役割を果たしています。
『33 Immortals』:協力プレイ「昔のものから最近のものまで、冥界の描写を見ることに多くの時間を費やしました。 何世紀にもわたり、人々に献身と恐怖の両方を呼び起こすために用いられてきた宗教芸術の数々があることを考えると、このテーマを探求するのは複雑です」とThunder Lotusのアートディレクターであるエステファニア・タスタン氏は語ります。

画家であり建築家でもあるジョット・ディ・ボンドーネは、ダンテとほぼ同時期に存在していました。 2年の違いですが、二人とも1260年代に生まれています。 ジョットは、宗教や神話の物語を作品に取り入れながら、遠近法や現実の主題の正確な描写などの、この時代の重要な芸術的課題に取り組みました。

「当時の風景の絵画を徹底的に研究しました」タスタン氏は続けます。 「その時代、遠近法はまだ初期段階にありました。 芸術家は深度や人物を背景にどのように配置するかを理解しようとしていたころです。 人物像が巨大に描かれ、それに対して壁や城が比較的小さく描かれているのが分かります。 それが非常に可愛らしく感じました。 とても美しく、大きなインスピレーションになりました」

『33 Immortals』の外見にインスピレーションを与えたのは中世の絵画だけではありません。 「タペストリーや中世の写本も驚くべきディテールで溢れており、魅力的な模様や色の組み合わせもあります」タスタン氏は話します。 「使用できる顔料やインクの選択肢は限られていました。 プレイヤーはキャラクターが着ている服に特定の布地の色がないことに気付くかもしれません。 それらの色は中世時代、作り上げることが非常に難しかったのです」

大まかに言うと『33 Immortals』は中世の歴史や芸術にインスピレーションを受けていますが、アートチームが焦点をあてていたのは常にダンテでした。 「資料である『神曲』にできる限り忠実に従うと決めました。そしてそこから、14世紀の人々が世界と宗教をどのように認識していたかを捉えました。 これは、私たちがこの世界を作り上げる際に、魅惑的な視点を与えてくれました」

チームはダンテの作品に没頭し、プレイヤーが感情移入できる世界を構築することを目指しました。 「『神曲』とそれが提示するすべてのテーマが非常に直感的で、 具体的です」タスタン氏は説明します。 「暗い林、森、血の川、タールの沼があるInfernoを進むと、その場所の敵意や危険といったものを感じるでしょう。 過酷な場所であるものの、住むことができ、生き延びることができる場所です」

『33 Immortals』の環境は神秘的でも一時的でもなく、現実です。 プレイヤーは、自らの魂を天罰から救うという明確な使命を持ってこれらの世界に向かいます。

タスタン氏はこう話しています。「その世界にはルールがあります。 Infernoの住人たちが永遠にそこに存在し、どのように適応していくかを決める、より高い秩序があります。 そのような体験を描きたいと思っています。そしてそれは対峙する敵、拾うアイテム、見える景色、使用する武器にまで及びます」
『33 Immortals』:Rogerの攻撃『33 Immortals』の開発を手がけるThunder Lotusのチームは、大ヒットしたインディー作『Spiritfarer』を手がけたチームとは異なりますが、この経験豊かなチームからガイダンスを得ています。また、この作品も、よりソフトなタッチと、より物語を中心としたスタイルではありますが、定命をテーマとして模索しています。

『33 Immortals』を一から開発するため、チームが作られました」とタスタン氏は語ります。 「しかし、私たちは『Spiritfarer』のチームと緊密に協力し、彼らからインサイトや経験を共有してもらいました。 2Dアートのパイプライン管理について得た学びを教えてくれました。 独り立ちする準備ができるようになるまで、そのような素晴らしい指導を受けられ、コミュニケーションが誠実でオープンであったことが幸運だったと思っています」

ゲーム開発におけるアートのパイプラインはビジュアルコンセプトから始まりますが、最終作品はビジュアルとゲームプレイの両方において効果的に機能し、技術的な要件を満たしていなければなりません。 「Infernoにおけるカラーパレットと色彩の移り変わりは、それぞれ異なるものでありながらも、調和して共存しなければなりません」タスタン氏は説明します。 「木々、石、建物などは独立して存在するデザイン要素ですが、常に組み立てられているパズルのピースのように、シームレスに組み合わせなければならないのです」

『Spiritfarer』『33 Immortals』のアニメーション技術の違いも貴重な学びの機会となりました。 「見下ろし型視点は私たちにとって、珍しい視点ビューでした」アニメーションディレクターのネイサン・デュポイ氏は語ります。 「シルエットがより圧縮されるため、 手足を体躯から切り離し、明確で美しい姿勢を実現することが難しくなります。 このような視点とセミリアルなアートスタイルが相まって、プレイヤーの攻撃方向を効果的に描写するために、さまざまな角度からキャラクターのアニメーションを作成する必要があります。 このため、ゲーム内のそれぞれの動きや技を描写するのに費やす作業量は5倍に増えます」

「あらゆるアニメーションが開始後、さまざまな他のアニメーションにつながることを考慮すると、アニメーションの分岐も課題でした」デュポイ氏は続けます。 「アニメーションの分岐を実現するのは、3Dゲームに見られる人形ベースのアニメーションに比べ、フレーム単位のアニメーションではより困難です。前者では、ゲームエンジンは、あるアニメーションの終了と別のアニメーションの開始をスムーズにブレンドすることができ、突然の切り替えを防ぐことができます」

『33 Immortals』の歴史的背景や神話的背景は、ゲーム内のキャラクター個々のアニメーションにも活かされています。 「この文化的背景からインスピレーションを得て、異なる何かを探すというのはとても興味深いと思うんです」デュポイ氏は話します。

歴史のすべてがアニメーションでうまく表現できるというわけではありません。 「たとえば、宗教的な手のジェスチャーやポーズは非常に詳細で独特なのですが、それが何であるかを知らない人にとっては奇妙に見える可能性があります」とデュポイ氏は追加します。 「物語や動きの意義に貢献しつつ、ゲームプレイを補完するようなジェスチャーを見つける必要があります。 しかし、このプロセスにより、さらにユニークなポーズが見つけられます」

アニメーションはまた、プレイヤーの協力を中心に展開する『33 Immortals』の中心的なループを強化する役割も果たしています。 「モンスターと環境は非常に過酷です」デュポイ氏は語ります。 「プレイヤーには、共有する目標を目指して協力する感覚を味わってほしいです。 キャラクターやモンスターのアニメーションにより、プレイヤーは相互サポートができることを理解できます」
『33 Immortals』:血の川
中世時代、モンスターや悪魔はそれを見た者に恐怖を与え、畏敬の念を抱かせました。しかし、現代の芸術やエンタテインメント、特にゲームにおいては、モンスターも悪魔もより一般的です。 私たちが今までに何度も見ているような敵とは感じの異なるモンスターを、アートチームはどのように作成するのでしょうか?

「Infernoは罰を与える場所です。私たちは中世の罰の概念を過酷なものとして認識し続けていると思うんです」タスタン氏は説明します。 「私たちが目指したのは、罰はこれらの生き物に課せられた苦難であり、それに身体が適応しているということ描くことです」

「中世の文化を研究していたときに、罰がよく話題に上りました。かなり残酷な内容です」タスタン氏は続けます。 「身体の切断は『神曲』に登場しましたが、詩の中の他の罰は想像しにくいものでした。 その一例が欲望の渦です。早い話、ここでは巨大な竜巻に永遠に囚われたままなのです。 これをモンスターデザインに活かすのは非常に困難です。 そこで、時代が適切であり、ゲームとそのモンスターにも合うような中世の罰を用いることにしました」

『33 Immortals』の物語には、ダンテ自身、死者の霊を船で運び、地獄への案内人でもあるカロン、ダンテが一生愛したと言われる女性ベアトリーチェなど『神曲』の主要なキャラクターも登場します。

タスタン氏はこう語ります。「その時代、そしてその場所にこうしていたであろうという私たちの想像に忠実に描写したいと思いましたが、同時に私たちの価値観に一致するように現代化したいとも思いました。 歴史的にダンテはたいてい、赤い服と赤い帽子を身にまとって描かれます。 あまり味気がなく、私たちにとってはパジャマに見えました。そのため、服をレベルアップさせる必要があると感じました。 また、彼の人生を物語るような小さなディテールを加えたいとも思いました。たとえば、彼のイタリアとフィレンツェの背景を物語る、ダンテが身につけている小さなブローチですね」

「カロンも同じようなプロセスを踏みました」タスタン氏は続けます。 「通常は暗い色の重そうなマントを身にまとい、顔が隠された、謎の人物として描かれています。 しかし、私たちの描くカロンは完全に異なり、粋な人です。 ユーモアのセンスを持った商人です。 ずる賢く、面白いので、服はその詭弁さや知恵を反映しています。 カロンはお気に入りのキャラクターで、出来を誇らしく思っています」
『33 Immortals』:カロンの店
お気に入りのキャラと言えば、Infernoについてチームのお気に入りは何でしょうか? タスタン氏は、Temple of the Morningstar(明けの明星の神殿)だと言います。 「これは私にとってセンチメンタルです。というのも、開発の初期段階、ロマネスク建築の研究をしているとき、ゲームに盛り込みたい建物や教会を考えていたからです。 このテーマについてできる限り、リサーチと学習に没頭したんです」

「レベルデザイナーが実際に建築を勉強していて、ワークショップを開いて私と他のアーティストに、中世建築の複雑な詳細を教えてくれました。 あれほど多くのアーチがある理由や、あのような外観で建てられている理由、 考慮すべき基礎的、そして技術的な問題などですね」 タスタン氏はさらに続けます。 「そしてこの学びをなるべくゲームに取り入れるようにしました。 これにより、ゲーム内の建築に物語や関連性を付けることができました。 それに、教会は非常に美しいですからね」

デュポイ氏にとってはForest of Sorrow(悲哀の森)であり、理由は人間の形をした木があるからだと言います。 「この人には何が起きたのだろう? 罰として木にされてしまったのだろうか?だとしたら、その罪は何だったのか?と思ってしまいますね。 自殺したことで罰せられているのかもしれません。自殺はモラルに反する行為だと中世教会は考えていましたからね。 これは、ゲーム環境の中に視覚的な謎を作り出し、ゲーム世界についての熟考を促す一例となっていると思います」

「Forest of Sorrowには私のお気に入りの敵もいます。人の形をした木の葉を食べるハーピーです」デュポイ氏は付け加えます。 「この森には赤い葉があり、悲しい場所ではあるのですが、ほぼ平穏な雰囲気もするのです。 興味深く、通常地獄から連想するお決まりの雰囲気とは異なります」
『33 Immortals』:ハーピーのスケッチ
タスタン氏にとって、『33 Immortals』を制作したという体験は、アイデアやインスピレーションを求め中世芸術や文学を調べたという楽しい思い出を常に思い起こすものです。 「写本のちょっとした不可解な描写は、ずっと私の心に残っています。 ウサギが剣と盾を持っている描写など、どういう意味なのか考えるのが楽しいですからね。 それを描いていたときに芸術家が何を考えていたかは、はっきりとは分かりません。 おそらく、単に楽しんでいただけでしょうね」

「しかし同時に、これらの絵を見ることで、人々はそれほど変わっていないんだということに気付きました」タスタン氏は続けます。 「芸術家も私たちと同じように、想像力を使っていたんです。 象のように、現実世界ではおそらく見たこともないようなものを描いていたのです。 クレイジーなものを描いていたんですね。それって私たちと似ているなと感じ、それがインスピレーションになるんです。 とても楽しかったですよ」  

『33 Immortals』はEpic Games Storeで近日リリースです。