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『The Vale: Shadow of the Crown』はアクセシビリティを見事に実現した聴覚ベースのゲームプレイ
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Jason Fanelli
『The Vale: Shadow of the Crown』には、剣闘や城など、中世のファンタジー世界を舞台にした壮大な冒険に要求される要素がすべて登場しますが、典型を覆すひとつの発想のおかげで他とは一線を画す作品に仕上がっています。プレイヤーの目となる主人公は目が見えず、周囲環境を示すいくつかの色のきらめき以外、最初から最後まで暗闇の中でゲームプレイが進行するのです。

例えば、ゲームの序盤で主人公が帰宅した際に、混みあった市場に店を置く鍛冶屋に話しかける必要がある場面があります。 市場では当然ながら声や音が無秩序に鳴り響いていますが、そんな雑音の中、鍛冶屋が振るうハンマーのカーンと響き渡る音が微かに聞こえてきます。 その音を聞き分け、鳴る方向に近づき、音が大きくなったことを認知することで、鍛冶屋の位置を割り出し、プレイを続けることができるのです。
『The Vale: Shadow of the Crown』では5時間を超える冒険を通して、このような場面で素晴らしいサウンドデザインと声優が際立ちます。 主人公がこの暗闇に覆われた王国のどこにいようとも、プレイヤーは耳を澄ますだけで自身の行き先や起こすべき行動、また行動のとり方を把握することができます。 アップグレード可能な装備、魔法の呪文、1人ないしは2人の仲間など、プレイヤーが慣れ親しんだRPGスタイルの要素がいくつか盛り込まれていますが、いずれも同じ暗闇に隠されています。
この作品でサウンドの使い方が最も巧妙なのは、プレイヤーが攻撃をブロックしたり相手を攻撃するために音がする正しい方向を聞き分けなければならない戦闘場面かもしれません。 プレイヤーは、音を頼りに主人公に対する敵の位置を割り出し、適切な行動をとらなければ、ダメージを受けるリスクを負うか、より悲惨な結果を招くことになります。 実際に体験せずに説明をするのは困難ですが、この作品はすべてのゲームにおいて最も斬新的な戦闘システムの一つと言えます。
こういったすべての要素がゲーム体験の魅力の根本にあり、主人公がどんなに力を付けようと、どんなに戦闘に長けていようと、彼女にとって世界が変わることはないのです。 常に暗闇の世界であり、プレイヤーはそれに適応していかなければなりません。 アクセシビリティとはゲーム界で重要視されている言葉ですが、『The Vale: Shadow of the Crown』ほどアクセシビリティに優れたゲームはそう多く存在しません。 これはすべて唯一無二の聴覚的アプローチのおかげなのです。