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なぜカウボーイハットなのでしょうか?『Kena: Bridge of Spirits』の可愛い「Rot」

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Brian Crecente
2021年9月20日

『Kena: Bridge of Spirits』への愛着を高めてくれた、大きな目をした可愛らしい精霊の仲間である「Rot」は、開発当初、自然の力に対抗する 均一で形のはっきりしない小さな塊の集団として描かれ、アイデンティティや魅力といったものとは無縁の存在でした。

初期のプロトタイプの段階で、私たちのよく知る現在の「Rot」が誕生したのです。

「初期のプロトタイプでは、私たちはもっと均一で曖昧な自然の力として描くことを実験していました。」と語るのは、開発元であるEmber Labのアニメーション・ディレクター、Hunter Schmidt氏です。「Rotに個性はありませんでした。プロトタイプでこの自然の力を波のように動かそうとしましたが、いざ実験してみると、小さな塊に分かれてしまうことが判明しました。」

そのとき、スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであり、共同設立者でもあるMike Grier氏が、あるアイデアを思いついたのです。この小さな塊に個性を持たせたらどうなるだろう?もし、この塊がキャラクターだったらどうなるだろうか?と。

そこで開発チームは、ゲームのオリジナルキャラクターデザインの多く手がけたWanchana "Vic" Intrasombat氏に、この形のない小さな塊の集団を愛すべきキャラクターに変えてみてほしいと頼みました。
Kena Bridge Of Spirits Concept Art Rot「Mikeはこういったアートディレクションに関して優れた目を持っているので、私たちはとにかくたくさんの参考資料を集めました。」とSchmidt氏は語ります。「画像を見れば、宮崎駿監督の映画『トトロ』や『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』など、スタジオジブリの作品から多くのインスピレーションを得ていることがわかるはずです。

「プレイヤーは、これらの映画からインスピレーションを受けた、風変わりで神秘的な魅力を数多く発見できるはずです。」

Schmidt氏はまた、ピクサーからの影響についても話しています。

「MikeとJosh(Grier)と私は皆、ディズニーの大ファンで、ディズニー映画を見て育ったんです」とSchmidt氏は語ります。「キャラクターのスタイルはピクサー風ですが、設定の選択やテーマ、ストーリーのスタイルはジブリに近いものになっています。」

ただでさえ愛らしい「Rot」のデザインに、帽子が加わることでさらに可愛らしさが増しています。これは、伝統的なゲームデザインからの発想ではなく、イタズラ心から生まれたものです。

2019年に、イギリスに拠点を置き、ゲームの環境とレベルを設計するJulian Vermeulen氏が、それぞれの「Rot」にこっそり帽子を被らせたら面白いのではないかと考えました。

「Rotにカウボーイハットを被せた画像を何も言わずに送信してきたんです。」とSchmidt氏。「次の日に皆が出社すると、笑い声が起きたため、誰が帽子を見たのか一目瞭然でした。そして、笑い声はスタジオ中に広がっていきました。誰もが爆笑しながら、スクリーンショットを撮っていましたよ。」

およそ半年後に、開発チームは面白い帽子のことを思い出し、ゲームに取り入れることを本格的に検討し始めたのです。

「すぐに帽子を取り入れたわけではないんです。」とSchmidt氏は話します。
Kena Bridge Of Spirits Concept Art Rotsチームは最初に10個の帽子をデザインしましたが、やがてそれが25個になり、現在では50個近くにまで増えています。

帽子は現実世界のお金がかかるものではなく、「Rot」に何の力も与えないことがポイントとなっています。しかし、Schmidt氏は、帽子の存在で間違いなくゲームがさらに良いものになったと話します。

「Rotに帽子を被せると、戦闘がより楽しくなるはずです。ドレスアップして飾り立てられたRotが、小さな敵を威嚇する姿は見ていて本当に楽しいです。」

『Kena: Bridge of Spirits』では、プレイヤーは若きスピリットガイドであるKenaを操作し、彼女の能力を駆使して、死者が肉体の世界から魂の世界へと移行するのを手助けします。このゲームは、「解放」や「変化」、「喪失」をテーマとしています。

当初、キャラクターデザイナーのIntrasombat氏がゲームのビジュアルを考案する際に、チームから送られてきたのがこれらのテーマでした。
Kena Bridge Of Spirits Rot Gameplayゲームプレイ中、Kenaは大きな瞳をした精霊の仲間「Rot」を見つけ出して集めていきます。「Rot」の数が多ければ多いほど、Kenaの魔法は強くなっていきます。

Schmidt氏によると、本作でプレイヤーは、100個ものRotを集めることができます。そして、それぞれのRotに小さな帽子を被せることができるのです。

ゲーム内で帽子をアンロックする方法はいくつかあります。多くの場合、「発見」によりアンロックできます。例えば、宝箱のある隠れたエリアを発見した場合などです。ゲームを進めることでアンロックできる場合もあります。帽子がアンロックされたら、プレイヤーはゲーム内にある帽子を売る屋台を訪れ、ゲーム内通貨を使って帽子を購入し、Rotに被せることができます。

それぞれのRotは、プレイヤーがアンロックしたり、帽子を売る屋台で購入したり、それぞれのRotの小さな頭に被せたりすることで、あらゆる帽子を身につけられます。

繰り返しになりますが、これらの帽子は、すでに魅力的なキャラクターにちょっとした可愛らしさを加えるだけなのですが、多くのRotに帽子を被せると、素晴らしい効果が生まれます。

「笑ってしまうんです。」とSchmidt氏は断言します。「とにかく、おかしいんです。」

開発当初は、キャラクターデザイナーが帽子をデザインしていました。最初はもっと自然なデザインでしたが、やがて、デザイナー以外の人たちも自分のアイデアを出し始めたのです。今では、花や葉っぱのような帽子、キノコの帽子、動物やカエルの帽子、さらには、釣り用バケツの帽子まであります。古生物学に多大な興味を持つJosh Grier氏の息子さんまでもが、恐竜の帽子を考え出しました。
Kena Bridge Of Spirits Rot Cuddleこのゲームを事前購入すると、お祝い用の豪華な帽子をゲットできます。その中には、皆さんの「Rot」に被せられる紙製のパーティーハットや、美味しそうなケーキの形をした帽子もあります。

「Rot」の外見を飾ることがこれらの帽子を開発する原動力になりましたが、帽子はまた、このゲームのテーマを象徴するものでもあります。

「確かにRotは集団で行動しているので、見分けがつきにくいかもしれませんが、よく注意してみるとそれぞれのRotに個性があることがわかります。」とSchmidt氏は語ります。「私たちが開発当初から念頭に置いていたテーマは、個性と相互の密接なつながりとの間にある葛藤でした。まさにRotは、このテーマを体現しているのです。」

EGS KenaBridgeofSpirits EmberLab IC2