
ニュース
自分だけのレベル構築も可能な、1990年代風の楽しいFPS『Wizordum』
A
Alyssa Mercante
近くには死体が横たわり、そこから染み出る血の池が不規則な形を描いています。プレイヤーは近接武器でその死体を破壊し、戦利品を回収します。Emberheart Games唯一の開発者で、スロベニア出身のプリモズ・ヴォヴク氏は、(2023年11月以来プレイヤーを魅了している)早期アクセス版の『Wizordum』では、死体を破壊することしかできなかったと語っています。「プレイヤーからのフィードバックは『戦利品を奪えないのか?』って感じでしたね」と彼は笑いながら話します。
『Wizordum』の物語はハイファンタジーに満ちています。古代の封印が破られて混沌が解き放たれ、プレイヤーは『Wizordum』最後の魔術師のひとりとして、その元凶を突き止める役目を担うことになります。ゲームは中世風の城の外から始まりますが、進行するにつれ、冬のバイオーム、溶岩に覆われた土地、さらには魔法の森といったさまざまな場所を戦い抜いていくことになります。そしてあらゆる場面で、オーガやゴブリンとの戦いを乗り越えなければなりません。最初の武器はメイスですが、進行することで、氷を放つ杖(敵を凍らせて破壊できる)や、両手から炎を撃ち出すリングと言った、面白い発射武器を使えるようになります。

本作は、テンポが速く、かなりシンプルな作りになっていて、スピードランや隠し要素探しにぴったりのゲームです。ヴォヴク氏によれば、『Wizordum』には200以上の隠し要素が散りばめられており、発見や探索できるものは確かに多いものの、プレイヤーがしばらくゲームを離れていても、気軽に再開できることを目指しているとのことです。同氏は最近の『DOOM』作品について触れ、しばらくプレイから離れていたら遊び方を思い出すのに苦労したと語っています。その体験は彼にとって好ましいものではなかったため、『Wizordum』を「かなりカジュアル」な作品に仕上げたと言います。
カジュアルという表現がまさにぴったりです。魔術師を選んでプレイを始めると、世界があっという間に過ぎていくような感覚ですが、決して圧倒されることはありません。敵は見つけやすく、倒すのも簡単で、宝物が隠されているにもかかわらずマップの操作はシンプルです。もし何か見落とした場合でも、簡単に戻ることができます。角を曲がった途端に攻撃を受け始めたとしても、即座に方向転換して、火の玉を投げつけてくるオーガを倒すこともできるのです。
『Wizordum』はスピード感に満ち、アイテム収集や敵との戦闘、秘密を解き明かす要素がぎっしりと詰まっています。それでいて最後まで無理なく楽しめるのは、まさにヴォヴク氏のゲームデザイン技術の証と言えます。ほんの数分プレイしただけでも、『Wizordum』がプレイヤーをほどよく引き込み、夢中にさせながらも、夕食の時間にはプレイを中断できる絶妙なバランスを保っていることが分かります。

とはいえ、Emberheartのゲームでおそらく最も素晴らしい要素は、内蔵されているレベル編集機能です。これは、ゲーム内マップを作るのにヴォヴク氏自身が使用したのと同じものです。PCプレイヤーはこれを使って、独自のスピードランチャレンジを作成し、即座にゲームにアップロードして他のプレイヤーに試してもらうことができます(『Wizordum』がコンソール版となる際には、ファンが作成したステージは収録されますが、レベル編集機能は含まれません)。プレイヤーはレベルの開始地点と終了地点を選択し、途中に敵やアイテムを配置したり、霧や埃のパーティクル、押し開けると秘密のエリアへ続く偽の壁といった楽しい要素を追加したりできます。
このレベル編集機能は、1990年代のFPSタイトルに対するラブレターの最後に押されたキスマークのような存在です。「最近のゲームは、レベル編集機能が付属して発売されることがなくなりました」とヴォヴク氏は強調します。当然ながら、『Wizordum』のノスタルジックな魅力に、(『Duke Nukem 3D』のようなゲームを彷彿とさせる)昔ながらのレベル編集機能が加わったことで、この機能は爆発的な人気を得ました。多くのプレイヤーがこの機能に夢中になっており、ヴォヴク氏によると、あるプレイヤーは編集に600時間以上も費やしたとのことです。その作品の完成度がはあまりにも高かったため、EmberhartとApogeeは彼を雇い、ゲーム内の秘密レベルを制作してもらうことにしました。

長きにわたる早期アクセス期間を経て、ついに『Wizordum』がコンソールとEpic Games Storeに登場し、1990年代を彷彿とさせるノスタルジックな楽しさと、ファンが制作したユニークなレベルを皆さんに楽しんでいただくことができます。もし自分でステージを作ってみたい場合は、その機能を使用するためにPC版でのプレイが必要となりますので、ご注意ください。オーガを醜い小さなアイスキャンディーに凍らせて、魔法使いのような仕草で粉々に砕くのが楽しそうだと感じたら、ぜひ『Wizordum』の世界を訪れてみてください。